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親が亡くなって、乗る人のいない車が残った。手放したいけれど、何から始めればいいのか、どの書類が要るのか分からない。そんなご家族に向けて、亡くなった方(故人)の名義の車を廃車にする手順をまとめました。
手続きと書類は、国土交通省・軽自動車検査協会・国税庁・都道府県・裁判所の案内と、民法・道路運送車両法の条文で確かめた内容だけを書いています。普通車と軽自動車では窓口も書類も違うので、分けて説明します。
- まず車検証の「所有者」を確かめる。所有者がローン会社や販売店なら、相続の手続きにはならない
- 普通車を解体して廃車にする(永久抹消登録)なら、相続人のうち1人の申請で受け付けられ、相続の名義変更はしない。必要書類に遺産分割協議書は入っていない
- 普通車の一時抹消登録や売却は、相続の名義変更と同時に手続きする。誰が相続するかを示す書面(遺産分割協議書など)が要る。相続人が1人だけのときと共同相続のときは要らない(車の価格が100万円以下なら申立書でもよい)
- 軽自動車は、親族への名義変更と廃車を同じ日に手続きできる。相続の書類は戸籍謄本等か法定相続情報一覧図
- 相続放棄をした人は、相続人として車を処分できない。放棄を考えているなら、車に手をつける前に相談する
書類の準備や車の引取りを、まとめて業者に任せる方法もあります(記事の後半で説明します)。廃車買取の業者の中には、亡くなった方の名義の車も引き取って、廃車の手続きまで代行するところがあります。
手続きの流れ:6つの段取り
全体の流れは次のとおりです。くわしい書類は、このあと普通車と軽自動車に分けて説明します。
所有者が亡くなった方か、ローン会社・販売店か。普通車か軽自動車か。車検がいつまで残っているか。この3つで、このあとの手続きが決まります。
放棄するなら、車を売ったり廃車にしたりしないでおきます。放棄の期限は、自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内です。
値段がつきそうなら売る、つかないなら解体して廃車にする、しばらく置いておくなら一時抹消登録(軽自動車は一時使用中止)にします。相続人が何人かいるときは、遺産を分けるまで車は相続人みんなの共有になるので(民法898条)、ほかの相続人に伝えてから進めます。
亡くなったことと相続人が分かる戸籍謄本など、普通車なら相続人の印鑑証明書(発行から3か月以内)も用意します。戸籍の証明書は、本籍地が遠くても、近くの市区町村の窓口でまとめて請求できます(本人・配偶者・父母や祖父母・子や孫の分。コンピュータ化されていない一部の戸籍を除く。窓口に行く人の顔写真付きの身分証明書が要り、郵送や代理人による請求はできません)。
解体するなら引取業者に車を引き渡し、解体が終わってから、普通車は運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会で申請します。引取りと手続きを業者に任せることもできます。
自動車重量税の還付は、解体の手続きと同時に申請します。普通車の自動車税は都道府県から戻ります(亡くなった方が納税義務者のときは手続きが要ることがあります)。自賠責保険は保険会社の窓口で解約します。
- 相続放棄:自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所に申述する(民法915条・裁判所)
- 解体したとき:解体報告記録がなされたことを知った日から15日以内に、永久抹消登録を申請する(道路運送車両法15条1項)。軽自動車も、同じく解体報告記録がなされたことを知った日から15日以内に車検証を返納する(解体返納。同法69条1項)
- 自動車税:4月1日の時点の所有者に1年分かかる。3月中に抹消登録が済まないと、次の年度の分がかかる。3月に抹消登録した場合は、翌月から3月までの月割なので、その年度の分は戻らない(東京都主税局・千葉県)
- 自動車重量税:解体の手続きと同時に還付を申請する。あとから還付の申請だけをすることは、原則できない(国税庁)
- 自賠責保険:廃車しただけでは解約にならず、保険会社の窓口で手続きをした時点で解約になる(国土交通省)
まず車検証で3つのことを確かめる
最初に、車検証を手元に用意します。何をすればよいかは、車検証に書かれていることで決まります。
はがきほどの大きさの厚紙にICタグが付いた電子車検証は、所有者の氏名・住所や車検の有効期間が表面に印字されていません。交付のときに一緒に渡される「自動車検査証記録事項」の紙か、国の「車検証閲覧アプリ」で確かめます。
| 確かめること | 分かること |
|---|---|
| 所有者は誰か | 亡くなった方が所有者なら、相続の手続きが要ります。所有者がローン会社・販売店などの場合は相続の手続きにはならず、通常の名義変更の扱いになります |
| 普通車か軽自動車か | 窓口が違います。普通車は運輸支局(または自動車検査登録事務所)、軽自動車は軽自動車検査協会の事務所・支所です |
| 車検の有効期間 | 普通車は、車検が切れていると、相続の名義変更だけはできません。一時抹消登録と同時になら手続きできます。解体して永久抹消登録をするなら、名義変更そのものが要りません。自動車重量税の還付は、車検の残りが1か月以上あるときだけです |
所有者がローン会社や販売店のときは、先にその会社へ連絡します。軽自動車検査協会も、使用者と所有者が違う場合は、所有者(販売店やローン会社など)の同意を得てから手続きするよう案内しています。
普通車の必要書類:解体するか、一時抹消・売るかで変わる
普通車の廃車(抹消登録)には、車を解体したあとにする「永久抹消登録」と、使うのをいったんやめる「一時抹消登録」があります。所有者が亡くなっているときは、どれを選ぶかで、相続の名義変更が要るかどうかが変わります。
| 項目 | 解体して廃車(永久抹消登録) | 一時抹消登録 | 人に売る・譲る |
|---|---|---|---|
| 相続の名義変更 | しない(相続人のうち1人の申請で受け付け) | 同時にする | 同時にする |
| 遺産分割協議書など | 必要書類の一覧にない | 要る(相続人が1人だけ・共同相続なら不要) | 要る(相続人が1人だけ・共同相続なら不要) |
| 戸籍謄本など | 亡くなったことと、申請する相続人が分かるもの | 亡くなったことと、相続人全員が分かるもの | 亡くなったことと、相続人全員が分かるもの |
| 印鑑証明書(発行から3か月以内) | 申請する相続人 | 相続人(共同相続なら全員) | 相続人(共同相続なら全員) |
| 窓口の手数料 | 無料 | 相続700円+一時抹消500円 | 1,400円 |
※関東運輸局と国土交通省の案内をもとにしています。手数料は令和8年4月1日現在の窓口申請の額です。共同相続は、相続人全員の共有の名義にすることです。
解体して廃車にする(永久抹消登録)
車をディーラーなどの引取業者に引き渡して解体してもらい、そのあとに運輸支局で永久抹消登録をします。国土交通省の案内では、所有者が亡くなっている場合は相続人のうち1人の申請でも受け付け、このとき相続による名義変更はしないとされています。
関東運輸局が案内している書類は次のとおりです。
- 申請書(OCRシート 第3号様式の3)と手数料納付書(永久抹消登録は無料)
- 車検証
- ナンバープレート(前後2枚)
- 戸籍謄本(戸籍の全部事項証明書)か法定相続情報証明書。所有者が亡くなったことと、申請する相続人(1人)が確かめられるもの。原戸籍(改製原戸籍謄本)が要る場合もあります
- 申請する相続人の印鑑証明書(発行から3か月以内)
- 申請する相続人の実印(代理の人が行くなら、相続人の実印を押した委任状)
- リサイクル券番号(移動報告番号)。申請書に書きます。番号はリサイクル券(預託証明書)に書かれています。リサイクル券が見当たらないときは、自動車リサイクルシステムの車両検索ページに車台番号を入れると番号を確かめられます
車検の残りが1か月以上あれば、自動車重量税の還付を同時に申請できます。申請書に、申請する相続人の銀行口座を書きます。
相続する人が車を自分の住む地域へ移して、そこで手続きする場合は、書類が変わることがあるので、その地域の運輸支局に確かめてください。また、永久抹消登録では証明書が出ないので、書面で証明がほしいときは「登録事項等証明書」を別に請求します(関東運輸局)。
一時抹消登録・人に売るときは、相続の名義変更と同時に
一時抹消登録をするときや、車を人に売る・譲るときは、相続人の名義にする手続き(相続による移転登録=名義変更)を同時にします。関東運輸局の案内では、一時抹消登録と同時にする場合の書類は次のとおりです。
- 申請書(OCRシート 第1号様式=相続、第3号様式の2=一時抹消)。窓口に同時に出します
- 手数料納付書(相続700円・一時抹消500円の印紙を貼る)
- 車検証、ナンバープレート(前後2枚)
- 戸籍謄本(戸籍の全部事項証明書)か法定相続情報証明書。亡くなったことと相続人全員が確かめられるもの
- 誰が相続するかを示す書面(遺産分割協議書など)。相続人が1人だけのときと、共同相続のときは要りません(次の項で説明します)
- 相続人の印鑑証明書(発行から3か月以内。共同相続なら全員分)と実印(または実印を押した委任状)
人に売る・譲るときは、これに加えて相続人の実印を押した譲渡証明書が要り、申請書(第1号様式)を2枚使います(手数料1,400円)。このとき車検証は有効期間内のものが必要です。車検が切れているときは、車検を受けるか、一時抹消登録をしてから所有者変更記録(一時抹消した車の持ち主を変える手続き)をする、と関東運輸局は案内しています。
相続で名義を変えるときは、運輸支局の近くの自動車税の窓口に「自動車税申告書(報告書)」も出し、遺産分割協議書の写しなど相続の関係が分かる書類を添えます(千葉県の案内)。
遺産分割協議書と、その代わりに使える書面
遺産分割協議書は、車を誰が相続するかを相続人全員で決めた書面で、相続人全員の実印が要ります。相続人に未成年者がいる場合は、代わりに「特別代理人」の押印が要ります。車以外の財産も書いた協議書は、原本と写しを持っていけば、照合のあとに原本を返してもらえます。
遺産分割協議書の代わりに、次の書面も使えます(関東運輸局)。
- 遺産分割協議成立申立書:車の価格が100万円以下と分かる査定証などの写しを付けた場合に限り使えます。このときは、車を相続する人が相続人であることが確かめられれば、ほかの相続人の確認は要りません
- 遺言書(公正証書による遺言以外は、家庭裁判所の検認を受けたもの。検認は、家庭裁判所でその日の遺言書の状態を確かめ、偽造などを防ぐ手続きです)、遺言書情報証明書
- 遺産分割に関する調停調書、審判書(確定証明書付き)、判決謄本(確定証明書付き)
相続人の順位は次のとおりです。配偶者は、いつも相続人になります。先の順位の人がいないときに、次の順位に移ります(関東運輸局)。
- 第1順位:子(子が先に亡くなっていれば、孫が代わりに相続人になる=代襲)
- 第2順位:父母(亡くなっている場合は祖父母)
- 第3順位:兄弟姉妹(先に亡くなっていれば、その子が代襲)
相続人に未成年者がいる、亡くなった方が外国籍である、といった場合は扱いが変わります。分からないときは、車検証を用意して、車の「使用の本拠の位置」(車をふだん置いている場所。車検証に書かれています)を管轄する運輸支局に相談するよう案内されています。
売るか、解体するかの決め方
解体したあとでは、車を売ることはできません。値段がつくかもしれない車は、解体の前に査定で確かめておくと、売るか廃車にするかを決めやすくなります。
軽自動車の場合:名義変更と廃車を同じ日にできる
軽自動車の手続きは、軽自動車検査協会の事務所・支所で行います。協会のよくある質問では、所有者が亡くなって今後使わない軽自動車は、親族への名義変更と廃車(一時使用中止か解体返納)を同じ日に手続きできると案内されています。廃車の書類に加えて、名義変更の書類を用意します。
| 書類 | 親族への名義変更 | 一時使用中止(返納) | 解体返納 |
|---|---|---|---|
| 自動車検査証(原本) | 要る | 要る | 要る |
| 戸籍謄本等か法定相続情報一覧図 | 要る(コピーも可) | — | — |
| 申請書 | 軽第1号様式 | 軽第4号様式 | 軽第4号様式の3 |
| ナンバープレート | 管轄が変わるときだけ | 要る | 要る |
| 移動報告番号 | — | — | 要る(引取業者から) |
| 住所を証する書面(発行から3か月以内) | 使用者が変わるとき(住民票の写しか印鑑証明書) | — | — |
| 申請依頼書 | 新しい使用者以外が手続きするとき | 使用者以外が手続きするとき | 所有者以外が手続きするとき |
| 手数料 | 無料 | 返納証明書の交付 450円 | 無料 |
※軽自動車検査協会の「名義変更」「自動車検査証返納届(一時使用中止)」「解体返納」の案内をもとにしています。移動報告番号は、引取業者に車を渡したときにもらう「使用済自動車引取証明書」に書かれているリサイクル券番号です。
相続の書類は、所有者が亡くなったことと、新しい所有者が相続人(親族など)であることが分かる戸籍謄本等か、法務局が交付する法定相続情報一覧図のどちらかです。死亡診断書は、原則として使えません。普通車と違い、協会の名義変更の必要書類の一覧には、遺産分割協議書や実印の押印は入っていません。具体的な必要書類は、協会の事務所のコールセンターに問い合わせるよう案内されています。
解体返納は、引取業者から解体が終わった連絡(解体報告)があってから申請します。車検の残りが1か月以上あれば自動車重量税の還付を同時に申請でき、振込口座やマイナンバーなどを書きます。
軽自動車税は、毎年4月1日の時点の名義の人に課税されます。3月は協会の窓口がとても混むと案内されているので、年度末に廃車にしたいときは早めに動くと安心です。
還付金(自動車税・重量税・自賠責)は誰が受け取るか
廃車にすると、前払いしている税金や保険料の一部が戻ることがあります。所有者が亡くなっているときの受け取り方は、お金の種類ごとに違います。
| 項目 | 戻るとき | 所有者が亡くなっているとき |
|---|---|---|
| 自動車税(普通車) | 抹消登録した月の翌月から3月までの分が月割で戻る | 受け取り方は都道府県で違う(大阪府は「相続人代表者申立書」、香川県は県税事務所へ連絡) |
| 軽自動車税 | 月割の制度がなく、年度の途中で廃車にしても戻らない | — |
| 自動車重量税 | 解体して永久抹消登録(軽は解体返納)をするときに同時に申請する。車検の残りが1か月以上 | 最終所有者の相続人が、相続人の名義で申請する |
| 自賠責保険 | 抹消登録(一時抹消も含む)のあと、保険会社の窓口で解約する。残りが1か月未満なら戻らない | 戻る額などの詳しいことは保険会社に確かめる |
自動車税(普通車)
自動車税は、4月1日の時点で車検証に所有者として登録されている人にかかります(東京都主税局)。年度の途中で抹消登録をすると、抹消登録した月までの月割になり、1年分を納めていれば差額が戻ります(千葉県)。抹消登録の日は、業者に車を渡した日ではなく、運輸支局で抹消登録をした日です。未納の税があると、戻るお金はそちらに充てられます。
納税義務者が亡くなっている場合の受け取り方は都道府県で違います。大阪府は「自動車税の還付金受領に関する相続人代表者申立書」を、香川県は抹消した翌月の10日までに県税事務所へ連絡するよう案内しています。車のナンバーの都道府県の自動車税事務所で確かめてください。なお、令和8年4月から「自動車税種別割」は「自動車税」という名前に変わりました。
自動車重量税
還付額は「納めた重量税の額×車検の残りの期間÷車検の有効期間」で計算します。国税庁の例では、24,600円を納めて2年車検の残りが5か月なら5,125円です。申請から支払いまではおおむね2か月半ほどかかります。解体の手続きを済ませたあとから還付の申請だけをすることは、原則できません。相続人が複数で申請するときは「付表3」を使います。なお、車を売った場合は、重量税の還付は受けられません(国税庁)。
自賠責保険
自賠責保険は、廃車した時点ではなく、保険会社の窓口で解約の手続きをした時点で解約になります。代理店ではできません。保険料には保険会社の手数料が含まれているため、戻る額は手数料と残りの期間を考えた額になります(国土交通省)。
相続放棄を考えているときに気をつけること
亡くなった方に借金があるなどで相続放棄を考えている場合は、車の扱いに特に注意が要ります。相続人は、亡くなった方の財産だけでなく、ローンなどの借金も受け継ぎます(民法896条)。放棄を考えるなら、車のローンが残っていないかも先に確かめます。
- 相続放棄をした人は、車を処分できません。相続放棄をした人は、その相続について初めから相続人でなかったものとみなされます(民法939条)。相続人として名義変更や廃車の申請をする立場ではなくなります
- 放棄した人の手元に車があるときは、保管を続けます。ほかの相続人か、家庭裁判所が選ぶ相続財産の清算人に引き渡すまで、自分の財産と同じ注意で保存しなければなりません(民法940条)
- 放棄する前に車を売ったり廃車にしたりすると、放棄できなくなることがあります。民法921条は、相続人が相続財産を処分したときは、単純承認(すべて受け継ぐこと)をしたものとみなすと定めています
- 相続放棄には期限があります。自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内に、亡くなった方の最後の住所地の家庭裁判所に申述します(裁判所)
放棄するか迷っているうちは、車を売る・廃車にする前に、家庭裁判所や弁護士・司法書士などの専門家に相談してください。なお、相続人の中に放棄をした人がいて、ほかの相続人が普通車の手続きをするときは、家庭裁判所の「相続放棄申述受理証明書」の原本と写しが要ります(関東運輸局)。
動かない車・遠くにある車・車検切れの車
亡くなった方の車は、長く動かしていない、実家の駐車場に置いたまま、車検が切れている、ということもあります。
車検が切れた普通車は、相続の名義変更だけをすることはできませんが、一時抹消登録はできます。すぐに使わないなら、一時抹消登録をしてから、使うときに中古新規登録(一時抹消した車を、また使えるように登録し直すこと)をする流れが関東運輸局で案内されています。条文では、車検証が有効であることを条件にしているのは名義変更(移転登録、道路運送車両法13条2項)で、永久抹消登録(15条)と一時抹消登録(16条)の条文にはその条件がありません。手放すなら、解体して永久抹消登録をする方法と、業者に引き取ってもらう方法があります。
相談先は、車検証の「使用の本拠の位置」を管轄する運輸支局(軽自動車は軽自動車検査協会の事務所・支所)です。
動かない車を自分で運ぶのは大変です。買取業者の中には、自宅や実家、修理工場など指定の場所まで無料で引き取りに来るところもあります(次の章)。引取りの費用や事故車・動かない車の扱いは、廃車買取サービスのおすすめランキングで業者ごとに比べられます。
自分で手続きするか、業者に任せるか
実家が遠い、平日に休めない、車が動かない、という場合は、引取りと廃車の手続きを業者に任せる方法があります。廃車買取の業者の中には、自宅や実家など指定の場所まで無料で引き取りに来て、廃車手続きも無料で代行するところがあります(下で紹介する業者など)。
家族が自分で手続きすることもできますが、戸籍謄本などを集め、車を引取業者まで運び、受付時間内に運輸支局や軽自動車検査協会の窓口へ行く手間がかかります。費用は、窓口の手数料のほか、戸籍謄本や印鑑証明書を市区町村で取るときの発行手数料、解体や運搬を業者に頼むときの費用(業者による)がかかることがあります。
| 項目 | 自分で手続きする | 業者に任せる(一般的な例) |
|---|---|---|
| 車の運搬 | 引取業者まで自分で手配する | 自宅・実家・修理工場など指定の場所へ引き取りに来る(無料の業者もある) |
| 廃車の手続き | 運輸支局・軽自動車検査協会の窓口へ行く | 廃車手続きを代行する(無料の業者もある) |
| 書類 | 必要な書類を自分で調べてそろえる | 状況に合わせて必要な書類を案内してもらえる。印鑑証明書など役所で取る書類は家族が用意する |
| 還付金 | 重量税などを自分で申請する | 重量税・リサイクル料金の扱いは業者によって違う(買取価格に含めて提示する業者もある。車を売った場合、重量税の還付は売った人には戻らない) |
ハイシャル(全国対応・故人名義の車も費用0円)
廃車買取のハイシャル(運営:ユニオンエタニティ株式会社)は、公式サイトのよくある質問で、所有者が亡くなっている車でも、引き取りや廃車手続きにかかる費用は一切いただかないと案内しています。ただし、用意する書類が一般的な場合とは違うので、詳しくはコールセンターに問い合わせるよう書かれています。
引き取りは北海道から沖縄まで全国が対象で(一部の島しょ部を除き無料)、自宅以外の保管場所にも来てもらえます。立会いは家族などの代理の人でもよく、立会いなしでの引き取りにも対応しているとしています。普通車の自動車税は、廃車手続きが終わると、2か月前後で年度の納税義務者あてに還付の通知が届くと案内されています。
評判や、契約したあとに取引をやめるときのキャンセル料(30,000円)など、申し込む前に知っておきたいことはハイシャルの評判・口コミにまとめています。ハイシャルの無料査定はこちら
首都圏で、書類の整理から相談したい場合(廃車ラボ)
車の置き場所が首都圏なら、東京都調布市の廃車の相談窓口「廃車ラボ」(運営:株式会社ECOLOGY SYSTEM)に見積もりを頼む方法もあります。引取りの地域は「東京都を中心に、神奈川県・埼玉県・千葉県など」で、全国対応ではありません。
公式サイトでは、所有者が亡くなっている車も対象に挙げています。状況を伝えると、調べたうえで必要な書類と日程を案内する流れで、車の名義を同社に変えてから抹消の手続きをします。引取り・廃車手続き・廃車証明書まで基本無料です(特殊な場所や放置車は事前に相談)。ただし、相続放棄されている車は、通常の引取りでは対応できない場合があると書かれています。WEBで見積もりを申し込んだあと、本人確認の電話があります。廃車ラボにWEBで無料見積もりを申し込む(首都圏)
ほかの廃車買取とも比べたい場合
ここで挙げたほかにも、全国で引取りと廃車の手続きを無料で代行する廃車買取サービスがあります。引取りの費用、手続きの代行、事故車や動かない車の扱いを並べて比べたい人は、ランキングを参考にしてください。
どの方法でも、始まりは車検証の所有者を確かめるところです。自分で窓口に行くのが難しいときは、業者に任せる方法もあります。
よくある質問
- 名義変更をしないで廃車にできますか?
-
普通車を解体して永久抹消登録をする場合は、相続人のうち1人の申請で受け付けられ、相続による名義変更はしないと国土交通省は案内しています。一時抹消登録や売却のときは、相続の名義変更と同時に手続きします。軽自動車は、親族への名義変更と廃車を同じ日に手続きできます。
- 親の名義のままでも査定を申し込めますか?
-
申し込める業者があります。ハイシャルは所有者が亡くなっている車でも引き取りや廃車手続きの費用はかからないと案内し、廃車ラボも所有者が亡くなっている車を対象に挙げています。必要な書類は相続の状況で変わるので、申し込むときに名義のことを伝えます。
- 手続きに期限はありますか?
-
相続放棄は、自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内です。車を解体したら、解体報告記録がなされたことを知った日から15日以内に永久抹消登録を申請します(道路運送車両法15条1項)。自動車税は4月1日の時点の所有者に1年分かかるので、3月中に抹消登録が済まないと次の年度の分がかかります。
- 相続放棄をした人が車を処分できますか?
-
できません。相続放棄をした人は、初めから相続人でなかったものとみなされます(民法939条)。手元に車があるときは、ほかの相続人などに引き渡すまで保存する義務があります(民法940条)。放棄する前に車を処分すると単純承認とみなされることがあるため、迷っているうちは処分の前に専門家に相談してください。
- 遺産分割協議書は必ず要りますか?
-
普通車の一時抹消登録や売却では、誰が相続するかを示す書面(遺産分割協議書など)が要ります。相続人が1人だけのときと、相続人全員の共有名義にするとき(共同相続)は要りません。車の価格が100万円以下と分かる査定証などがあれば、遺産分割協議成立申立書も使えます。普通車を解体して永久抹消登録する場合と、軽自動車の名義変更では、必要書類の一覧に遺産分割協議書は入っていません。
- 車検証が見つかりません。
-
普通車の抹消登録では、盗難や紛失で車検証を返せない場合、その旨を書いた理由書を付けると国土交通省の案内にあります。軽自動車は、軽自動車検査協会に車検証の再交付の手続きがあります。廃車買取の業者に任せる場合は、車検証が無いことを申し込みのときに伝えて相談します。
- ローンが残っていた車はどうなりますか?
-
車検証の所有者がローン会社や販売店なら、相続の手続きにはならず、通常の名義変更の扱いになります(東北運輸局)。廃車には所有権解除の手続きが要り、ローン会社などの同意や書類が要るので、まず所有者欄の会社に連絡します。ローンの残りも相続人が受け継ぐため(民法896条)、相続放棄を考えるなら先に確かめます。
※この記事は2026年10月15日時点の国土交通省・軽自動車検査協会・国税庁・都道府県・裁判所の案内、法令の条文と、各社の公式サイトの記載をもとにしています。手続きや書類は地域や状況で変わることがあるため、手続きの前に窓口で確かめてください。
- 国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト「車を一時使用中止・解体・輸出するためには(抹消登録)」
- 国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト「登録・検査手数料一覧表(令和8年4月1日現在)」
- 関東運輸局「自動車の相続による手続き」
- 関東運輸局「単独相続(相続人のうち一人が相続する場合)」
- 関東運輸局「永久抹消登録(相続人が代理で申請する場合)」
- 関東運輸局「一時抹消登録(相続と一時抹消を同時に手続きする場合)」
- 関東運輸局「第三者への名義変更(相続と第三者への名義変更を同時に手続きする場合)」
- 北海道運輸局「相続による移転登録」
- 東北運輸局「Q5.所有者が死亡しましたが、手続きはどうすればよいですか?」
- 国土交通省 電子車検証特設サイト「電子車検証について」
- 国土交通省「自賠責保険・共済 よくあるご質問」
- 軽自動車検査協会「名義変更(売買・譲渡・その他)」
- 軽自動車検査協会「自動車検査証返納届(一時使用中止)」
- 軽自動車検査協会「解体返納」
- 軽自動車検査協会「Q.3-003 軽自動車の所有者が死亡し、今後使用する予定がないので廃車にしたいのですが、どうすればよいですか。」
- 国税庁「使用済自動車に係る自動車重量税の廃車還付制度」
- 国税庁「使用済自動車に係る自動車重量税の廃車還付制度について(Q&A)」
- 東京都主税局「自動車税」
- 千葉県「自動車を抹消(廃車)しましたが、自動車税はどうなりますか。(月割課税)」
- 千葉県「どのような場合に自動車税は還付になるのでしょうか。」
- 千葉県「自動車の所有者が亡くなり自動車を相続しましたが、どのような手続が必要ですか。」
- 大阪府「自動車税還付金の受取方法」
- 香川県「税金の還付」
- 名古屋市「軽自動車税のQ&A:軽自動車税の課税」
- 浜松市「自動車リサイクル法の料金について」
- 千代田区「戸籍の証明書」(発行手数料の例)
- 法務省「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)」(広域交付)
- 裁判所「相続の放棄の申述」
- 裁判所「遺言書の検認」
- e-Gov 法令検索「民法」(第896条・第898条・第915条・第921条・第939条・第940条・第952条)
- e-Gov 法令検索「道路運送車両法」(第13条・第15条・第16条・第69条)
- ハイシャル 公式サイト(よくある質問)
- 廃車ラボ 公式サイト(トップ・対応エリアの説明・よくある質問・特徴のページ)



