UGS交換費用の目安|地中引込・SOG・交換時期・停電工事

UGS交換費用の目安。地中引込の開閉器の見積の内訳と交換時期・停電工事。公開価格は1台70万〜120万円

UGS(地中線用負荷開閉器)の交換費用は、関東の工事会社が公開している価格で、UGSの交換・更新工事が1台およそ70万〜120万円です。株式会社MECの料金表ではガスの回収費込みで880,000円(税込)、株式会社AIR LABの料金目安ではガスの回収込みで80万〜100万円、有限会社サイデンの概算では70万円〜となっています(2026年10月17日確認。AIR LABとサイデンは税込・税別の記載なし)。

ただし総額は、UGS本体の仕様、SOG(地絡と過電流で動き方を変える制御)の扱い、高圧キャビネットとの取り合い、引込ケーブルの端末とハンドホールの状態、停電と電力会社への申込み、夜間・休日の作業で変わります。見積を比べる前に、点検報告書・単線結線図・UGSの銘板の写真をそろえ、同じ工事範囲で見積を取り直してください。

本記事は、地中線で高圧の電気を引き込んでいる施設の経営者・総務・施設管理の担当の方に向けて、UGSの交換費用の内訳と、交換時期・停電工事の段取りを、メーカー・業界団体・送配電会社・国の資料をもとに整理したものです。電柱の上に開閉器がある架空引込の場合はPAS交換費用の記事を見てください。

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項目目安根拠
交換費用(公開価格の例)1台およそ70万〜120万円関東の工事会社3社の料金表・料金目安
費用に入りやすいもの本体と取付、ガスの回収MEC・AIR LABの交換・更新の価格は「ガス回収込み」
別途になることがあるもの停電中の発電機、夜間・休日の割増、試験、申請、ケーブルの端末処理MEC・AIR LABの料金表の別の行と注記
更新の目安高圧交流負荷開閉器は屋外用10年・屋内用15年(または負荷電流開閉回数200回)、GR付開閉器の制御装置は10年JEMAの更新推奨時期。保証値でも法定の期限でもない
停電必要。電力会社の供給用配電箱を止めてから作業する東京電力パワーグリッドの資料
申込みの期限開閉器の操作は1か月以上前(東京電力パワーグリッドは31日以上前)東京電力パワーグリッド・関西電力送配電の案内
一緒に検討するものSOGの制御装置、引込ケーブル(水の影響がある場合は使用開始後10〜20年が更新の目安)JEMA・日本電線工業会
編集部作成(2026年10月17日確認)。金額は工事会社が公開している価格の例で、相場や上限・下限ではありません。

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目次

UGSとは?地中引込の入口で事故を切り離す開閉器

UGSは、地中線で高圧の電気を引き込む施設の入口にあるガス式の負荷開閉器で、構内で起きた事故を切り離して、電力会社の配電線に広げない(波及事故を防ぐ)役目を持ちます。

メーカーの戸上電機製作所は、UGSを「地中線引込みの自家用施設における保守の容易化、配電線への波及事故防止のため、電力様高圧キャビネット内の第3回路(お客様側)に取付ける過電流ロック形高圧交流ガス負荷開閉器」と説明しています。定格電圧は7.2kVで、定格電流は300Aと400Aの機種があります。電力会社のキャビネットの中ではなく、地上に置く自立型のUGSもあります。

UGS・UAS・PASの違い

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名前引込の方法置かれる場所開閉の方式
UGS(地中線用ガス負荷開閉器)地中引込電力会社の高圧キャビネット(供給用配電箱)の中のお客さま側の回路、または地上の自立型の盤ガス式(SF6ガス)
UAS(地中線用気中負荷開閉器)地中引込UGSと同じ気中式
PAS(柱上気中開閉器)架空引込構内の電柱の上気中式(ガス式はPGS)
戸上電機製作所の製品情報・Q&A、NITEの電気保安統計の機器の分け方から編集部作成。

戸上電機製作所のQ&Aでは、UASは気中式、UGSはガス式(SF6ガス)で、どちらも全関東電気工事協会の認定品なので性能は同等としています。ただし、取り付けられるキャビネットや接続の方式(同社のUGSはモールド母線のみの対応)は機種ごとに違います。交換のときは、今の設備に合う機種かを電気主任技術者と工事会社に確かめてもらいます。

SOGは、地絡と過電流で動き方を変える

UGSは、SOGと呼ばれる過電流ロック形の制御と組んで動く開閉器です。戸上電機製作所のカタログは、SOGの動作を「地絡事故は即時遮断、ロック電流値以上の過電流事故は開閉器を一旦ロックし、電源側の遮断器が動作後、無電圧の状態で自動的に開閉器を開放する」と説明しています。つまり、漏電のような地絡ではUGSがすぐに開き、短絡のような大きな過電流ではUGSはいったん閉じたまま待って、電気が止まってから開きます。

送配電会社も、需要家に保護の装置を求めています。東京電力パワーグリッドの設計の資料は、短絡故障の保護用に過電流リレー、地絡故障の保護用に地絡リレーを設置してもらい、受電設備の充電電流が大きい場合は誤動作を防ぐために地絡方向リレーを設置してもらうことがある、としています。JEMA(日本電機工業会)も、責任分界点の負荷開閉器を取り替えたり新設したりするときは、過電流ロック形高圧負荷開閉器(SOG動作形)の採用を推奨しています。

電力会社の設備との境目(責任分界点)

東京電力パワーグリッドの設計の資料では、地中引込線の場合、お客さまの受電設備の開閉器などの電源側端子のうち最も電源側に近い接続点までを電力会社が設置し、そこが責任・財産分界点になるとしています。UGSは、この境目のすぐお客さま側にある、需要家の設備です。キャビネットの区分や、交換のときに送配電会社と工事会社のどちらが何をするかは地域と設備で違うため、電気主任技術者と工事会社を通して送配電会社に確かめます。

関東では、戸上電機製作所が、UGSは電力会社のキャビネットの中に設置されるので全関東電気工事協会に最終需要家の名前を登録することが決められている、取付工事は日本電気協会関東支部の施工技術認定者に限る、と案内しています。見積を頼むときに、施工する人が認定を持っているかを聞いておくと確実です。

UGS・PAS・VCBなど、キュービクルの構成機器の役割の違いは、親記事のキュービクルの構成機器一覧で解説しています。

UGS交換費用の目安|公開されている工事価格の例

工事会社が公開しているUGSの交換・更新工事の価格は、1台およそ70万〜120万円の幅にあります。見つかった公開価格はどれも関東(東京電力パワーグリッドの管内)の工事会社のもので、税込・税別の表記や、ガスの回収・ケーブルの端末処理を含むかどうかが会社ごとに違います。

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出典工事の内容公開されている価格含むもの・条件
株式会社MEC(神奈川県厚木市・関東一帯)料金表UGS交換880,000円(税込)ガス回収費込み。土日祝日は+33,000円(税込)
同上UGS新設792,000円(税込)土日祝日は+33,000円(税込)
株式会社AIR LAB(東京・埼玉・千葉・神奈川ほか)料金目安UGS更新80万〜100万円ガス回収含む。税の記載なし。設備状況・電力会社との調整で前後する
同上旧来の機器(ピラジスコン)からUGSへの更新80万〜120万円既設キャビネットの流用・端末処理を含む。税の記載なし
有限会社サイデン(埼玉県)概算費用UGS取り付け70万円〜施工状況・メーカー・仕様で上下する。税の記載なし
参考:テプコカスタマーサービス(1都3県)参考価格UAS(気中式)新設110万円(税込)日中の工事、キャビネットは通常タイプ、停電3時間・工事4.5時間の条件
2026年10月17日に各社のページで確認。相場や上限・下限ではなく、公開されている価格の例です。

MECの料金表には、このほかに申請費用や搬入費用などがかかるとの注記があり、停電の間に使う発電機の用意は506,000円(税込)〜と別の行になっています。AIR LABは、高圧ケーブルの端末処理(1系統)を6万〜10万円と別に載せています。表の価格に何が入っているかは会社ごとに違うので、見積では次の内訳ごとに「含む/別途」を確かめます。

UGS交換の見積の内訳

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内訳中身公開価格での扱いの例
UGS本体と取付本体、取付金具、電力会社側と需要家側の接続各社の価格の中心
SOGの制御UGSに内蔵か、別の制御装置か。制御線VTや制御を内蔵した機種もある
高圧ケーブルの端末処理端末のやり直しと接続AIR LABは1系統6万〜10万円を別に記載
試験絶縁抵抗・耐電圧、SOGの動作と連動の試験MECのキャンペーン枠の注記は「耐圧試験や動作試験が必要な場合は別途」
電力会社の手続き停電(供給用配電箱の停止)や工事の申込みMECは「申請費用…などがかかります」。送配電会社の操作は有償
主任技術者の立会い停電・試験・復電の立会いMECのキャンペーン枠の注記は別途。保安の委託契約に含まれるかは契約による
仮設の電源停電中の発電機と配線MECは506,000円(税込)〜
夜間・休日の割増作業の日時による割増MECは土日祝日+33,000円(税込)
ガスの回収と撤去品の処分SF6ガスの回収、撤去したUGSの処分MEC・AIR LABの交換・更新の価格は「ガス回収込み」
諸経費交通費・搬入・書類MECは「搬入費用」を注記
編集部作成。各社の料金表・料金目安の記載から整理しました。
UGS交換の見積の内訳10項目(UGS本体と取付、SOGの制御、高圧ケーブルの端末処理、試験、電力会社の手続き、主任技術者の立会い、仮設の電源、夜間・休日の割増、ガスの回収と撤去品の処分、諸経費)に「含む/別途」の印を付ける表。
図1 UGS交換の見積の内訳(本文の表を図にしたもの)

ガスの回収が見積に入る理由

UGSは、SF6ガスを使うガス式の開閉器です。SF6は温室効果ガスで、環境省の資料は、SF6は現状ではフロン類のように法的な回収・破壊処理の対象ではないものの、確実に抜き取って、破壊または精製処理・再生利用することが必要だとしています。メーカーの戸上電機製作所もガスの回収を有償で受けています。見積に「ガス回収」の行があるか、交換の価格に含まれているかを確かめてください。

UGS交換費用が変わる8つの条件

同じ「UGS交換」でも、本体の仕様、高圧キャビネットとの取り合い、引込ケーブルと浸水の環境、停電の段取りで総額が変わります。見積の金額が違うときは、まず次の条件のどれが違うのかを並べてください。

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条件高くなりやすいとき確かめること
UGS本体の仕様VT(制御用の電源)内蔵か、定格電流(300A・400A)、地上に置く自立型か同じ「UGS」でも機種で価格が違う。今の設備に合う仕様は電気主任技術者と決める
SOG制御装置UGSと一緒に替えるか、既設を使い続けるか既設を使うなら、年数・試験の結果・新しいUGSとの組み合わせを確かめる
高圧キャビネットとの取り合い旧来の機器(ピラジスコン)からの更新で取付金具の追加が要る、キャビネットの錆・扉・基礎も直すUGSだけを替えられるか(戸上電機製作所は、キャビネットはそのままで機器だけの更新ができると案内)、取り付けの寸法と接続の方式が合うか
引込ケーブルと端末端末処理のやり直し、ケーブルの長さの余り、同時に替えるか地中の管路を通すケーブルは、引き替えると掘削や管路の補修が加わることがある
ハンドホール・浸水の環境ハンドホールや管路に水がたまる、キャビネットが低い場所にある浸水の跡があれば、ケーブルの診断や、キャビネットの位置・高さの見直しも検討する
停電と電力会社の調整電力会社への開閉器操作の申込み、停電の時間、作業の日時停電の時間を短くする段取りや、夜間・休日の作業は、費用に跳ね返る
仮設の電源止められない設備(冷蔵・冷凍、サーバー、医療機器など)があるか発電機の容量と配線で金額が大きく変わる
撤去品の処分とガスの回収撤去したUGSの処分、ガス式の場合のガスの回収見積に含むか、別途かを確かめる
編集部作成。金額の差は見積の内訳で確かめてください。
地中引込の絵の上に、UGS交換費用が変わる8つの条件(UGS本体の仕様、SOGの制御、キャビネットとの取り合い、引込ケーブルと端末、ハンドホール・浸水の環境、停電と電力会社の調整、仮設の電源、ガスの回収と撤去品の処分)の場所を示した図。
図2 UGS交換費用が変わる8つの条件(本文の表を図にしたもの)

機器ごとの交換費用の参考レンジをまとめて見たいときは構成機器一覧の費用の表、キュービクル全体を更新したときの費用は容量別の更新費用の記事で解説しています。

UGSの交換時期|JEMAの更新推奨時期と点検での指摘

UGSの交換時期に、法律で決まった年数はありません。目安になるのは、JEMAの更新推奨時期と、点検での指摘です。

JEMAの「汎用高圧機器の更新推奨時期に関する調査」報告書(2023年3月改訂版)は、高圧交流負荷開閉器の更新推奨時期を、屋外用は使用開始後10年または定格負荷電流開閉回数200回、屋内用は15年または200回、GR付開閉器の制御装置は10年としています。この値は製造者の保証値ではなく、通常の環境で通常の保守点検をして使ったときに、新品に替えたほうが経済性を含めて有利と考えられる時期です。

報告書はUGSが屋外用・屋内用のどちらに当たるかを名指ししておらず、戸上電機製作所のQ&Aも両方の年数を挙げて、更新時期は環境条件などを考慮する必要があるとしています。使い始めて10年を過ぎ、SOGの制御も同じ年数なら、点検の結果を見ながら更新の見積を取り始める時期と考えるのが現実的です。年数の考え方はキュービクルの耐用年数の記事にまとめています。

点検で見る項目と、ガス圧の低下

JEMAの保守点検の資料は、屋外用開閉器の点検の項目に、外観(外箱・ハンドル・指針などのさび・変形・破損)、ブッシングの亀裂・損傷・汚損、操作機構、地絡継電器の動作確認、制御線・接地線と接地抵抗、絶縁抵抗の測定を挙げています。点検報告書でこれらに「要注意」「要改修」が付いたら、交換の見積を取り始める合図です。指摘を受けたあとの進め方は年次点検の記事で解説しています。

ガス式ならではの備えもあります。戸上電機製作所のUGSはガス圧センサを内蔵し、封入ガスの圧力が規定値より下がると減圧ロック装置が働いて、開閉器をそのときの状態(入または切)のままロックします。外形図には、減圧時に赤色になる表示があります。点検でガス圧の低下を指摘されたら、早めに電気主任技術者と交換を相談してください。

引込ケーブルも一緒に替えるか

UGSにつながる引込ケーブルは、地中の管路やハンドホールを通る設備です。日本電線工業会は、高圧CVケーブルの更新推奨時期を、水の影響がある場合は使用開始後10〜20年、水の影響がない場合は20〜30年とし、特に水の影響で寿命が短くなるとしています。UGSと同じころに入れたケーブルなら、絶縁の診断の結果を見て、同時に替えるかを決めると、停電と電力会社への申込みを1回にまとめられます。ケーブルの交換費用と確認点は高圧ケーブル交換費用の記事で解説しています。

地中引込ならではの注意点|高圧キャビネットとハンドホール

地中引込のUGSは、敷地の境目の近くの地上のキャビネットに入っていることが多く、交換のときにキャビネットの位置と浸水の環境も見直せます。

国土交通省・経済産業省の「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」(2020年6月)は、事例の中で「高圧キャビネット(UGS:地中線用負荷開閉器)は敷地境界付近に設置することが通例」としたうえで、敷地境界では周辺の地盤面から1.5mの嵩上げができないため、送配電事業者と協議して、1.5m嵩上げした場所に高圧キャビネットを置けるよう調整した例を紹介しています。

現地調査では、キャビネットの底や周りの泥・水の跡、近くのハンドホールや管路のふたの下に水がたまっていないかを見てもらいます。浸水の心配があれば、位置や高さを変えられるか、引込ケーブルの診断が要るかを、工事会社を通して送配電会社と相談します。大雨や浸水への備えはキュービクルのBCPの記事でも解説しています。

UGS交換の停電と電力会社への申込み

UGSの交換は、電力会社の供給用配電箱を止めてから行うので、停電が必要です。日程は、電力会社への申込みの期限から逆算して決めます。

東京電力パワーグリッドは、自家用電気工作物の設置者と電気主任技術者向けのセミナー資料で、UGSの取り外しなどの作業では供給用配電箱の停止が必要になるので、前もって連絡するよう求めています。同じ資料には、供給用配電箱の高圧母線に電気が来ている状態でUGSを取り外す作業をして負傷した事例が載っており、電気の契約が終わったあとも供給用配電箱に電気が来ている場合があること、作業の前に必ず検電することが書かれています。UGSの交換は、停電の範囲の確かめ方まで含めて、電気主任技術者と工事会社に任せる作業です。

点検などで停電するときの開閉器の操作は、東京電力パワーグリッドは申込日から1か月(31日)以上前、関西電力送配電は1か月以上前の申込みが必要で、どちらも有償です(関西電力送配電は平日昼間19,630円、夜間・休日48,720円、税込、2026年4月以降の作業)。一方、設備が変わる工事の窓口は別で、東京電力パワーグリッドはPAS更新やケーブル更新は小売電気事業者へ申し込むよう案内し、関西電力送配電は受電設備の工事を伴う場合は「高圧たくそう君」から申し込むとしています。UGSの交換をどの窓口で申し込むかは、工事会社と電気主任技術者を通して確かめてください。

地域差に注意:上は2026年10月17日時点の東京電力パワーグリッドと関西電力送配電の案内です。ほかの地域は、その地域の送配電会社の案内を確かめます。

停電の時間と、止められない設備

停電の時間は、交換の作業だけでなく、電力会社の操作、検電・接地などの安全措置、試験、復電の確認までを含みます。参考として、テプコカスタマーサービスが示すUAS新設の参考価格の条件は、停電3時間・工事4.5時間でした。冷蔵・冷凍、サーバー、医療機器など止められない設備がある場合は、仮設の発電機(MECの料金表では506,000円(税込)〜)や、休日・夜間の作業を検討します。どちらも費用に跳ね返るので、見積の段階で停電の開始から復電までの予定時間を書いてもらいます。

UGS交換工事の流れ|資料集めから書類の更新まで

UGSの交換は、資料集めと現地調査から始まり、電力会社への申込み、停電・交換・試験を経て、書類の更新で終わります。申込みに1か月以上かかるので、点検で指摘を受けたら、すぐに資料集めに入るのが近道です。

STEP
資料をそろえる

点検報告書、単線結線図、設備台帳、過去の試験成績書と工事の記録を集めます。UGSとSOG制御装置の銘板(メーカー・型式・製造年・定格)と、高圧キャビネットの外観の写真は、電気主任技術者か工事会社に安全な方法で撮ってもらいます。

STEP
現地調査

高圧キャビネットの設置場所と基礎、扉・錆・浸水の跡、ハンドホールや管路の状態、引込ケーブルの種類と端末、作業車や機材を置ける場所を確かめます。地中引込は、図面と現地の配管・ケーブルの長さが合わないことがあるので、現地で見てから範囲を決めます。

STEP
工事の範囲を決める

UGS本体だけを替えるのか、SOG制御装置・制御線・引込ケーブルの端末・高圧キャビネットまで一緒に替えるのかを決めます。古い機種は今の製品とキャビネットの寸法や取り付けが合わないことがあり、範囲が変わると金額と停電の時間も変わります。

STEP
見積をそろえて比べる

同じ工事範囲・同じ停電の条件・同じ試験の内容で見積を取り、別途になっている項目(主任技術者の立会い、電力会社の手続き、仮設の発電機、夜間・休日、撤去品の処分など)を横に並べます。

STEP
電力会社への申込みと社内の調整

UGSの取り外しには電力会社の供給用配電箱の停止が要るので、工事会社と電気主任技術者を通して電力会社に申し込みます。窓口と申込みの期限は電力会社ごとに決まっています。社内・テナント・取引先に停電の日時と範囲を知らせ、止められない設備には仮設の電源を用意します。

STEP
停電・交換・試験・復電

決めた手順で停電・検電・接地などの安全措置をしてから、既設のUGSを撤去し、新しいUGSの取付と高圧ケーブルの端末の接続をします。絶縁抵抗・SOGの動作や連動などの試験をして、電気主任技術者の確認のうえで復電します。

STEP
書類を更新する

新しいUGS・SOGの型式・製造年・定格・整定値、試験成績書、工事写真、保証書を受け取り、単線結線図と設備台帳を直します。次の更新の時期を設備台帳に書いておくと、次の計画が立てやすくなります。

UGS交換工事の流れ7ステップ。資料集めから電力会社への申込みまで進め、申込みに1か月以上かかるので停電の日から逆算する。停電の日は安全措置→撤去→取付→端末処理→試験→復電。
図3 UGS交換工事の流れ(本文のStepを図にしたもの)

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波及事故とUGS|交換を先送りする前に

波及事故の多くは、入口の開閉器が「無い」か「動かない」ことで起きています。UGSを使い続けるなら、本体だけでなくSOGの制御が動くかを点検で確かめておくことが大切です。

NITE(製品評価技術基盤機構)の令和6年度電気保安統計では、需要設備の波及事故193件のうち、区分開閉器が動かなかったもの(不動作)が83件で、その要因で最も多いのは保護継電器の不良(50件)でした。区分開閉器が設置されていなかったものは55件です。令和6年度にUGS・UASの破損による波及事故は0件でしたが、UGSの本体内部が原因のものは令和5年度に1件、令和4年度に3件ありました(各年度の電気保安統計の第14表から編集部が数えた値)。

関東の地域では、電気安全関東委員会の資料(2026年3月)が、関東東北産業保安監督部の2024年度のデータから、波及事故の約7割は高圧引込ケーブルとPASの事故によるものとし、内訳を高圧引込ケーブル48%、PAS・PGS・UGS 26%としています。地中引込では、UGSと引込ケーブルを一体で見ておく必要があります。波及事故の原因と賠償の考え方は波及事故の記事で詳しく解説しています。

UGS交換の見積で確認したい12項目

相見積もりでは、総額の前に、工事範囲・停電の条件・別途の項目をそろえて比べます。下の表を各社に渡して、同じ項目に答えてもらうと比べやすくなります。

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項目確かめること
UGS本体メーカー・型式、ガス式か気中式か、VT・制御装置の内蔵、定格電流、今のキャビネットに合うか
SOG制御装置本体と一緒に替えるか、既設を使うか。使う場合は年数と試験の結果
高圧キャビネットUGSだけを替えるのか、キャビネットごとか。基礎・扉・錆の補修は含むか
高圧ケーブルの端末端末処理のやり直しは含むか、ケーブルの長さに余りがあるか
引込ケーブル同時に替えるか。替えない場合、年数と絶縁の診断の結果
停電の時間と範囲停電の開始から復電までの予定時間と、止まる設備の範囲
電力会社の手続き開閉器操作の申込みをだれがするか、電力会社に払う費用があるか
仮設の電源止められない設備のための発電機は含むか、容量と配線
試験絶縁抵抗・耐電圧・SOGの動作と連動の試験は含むか、成績書は出るか
夜間・休日の割増作業の日時による割増の有無と金額
撤去品の処分撤去したUGSの処分とガスの回収は含むか
保証と書類保証の期間、単線結線図・設備台帳の修正、工事写真
編集部作成。

見積の内訳の読み方と、高いと感じたときの選択肢はキュービクルの見積チェックの記事で解説しています。

現地調査で写真に残してもらいたい場所

見積を比べるときも、社内で説明するときも、現地の写真があると話が早く進みます。撮影は電気主任技術者か工事会社に、安全な方法で頼んでください。担当者がキャビネットの扉を開けたり、中に手を入れたりする必要はありません。

  • 高圧キャビネットの全体(設置場所・基礎・周りの地面の高さが分かるように)
  • UGSとSOG制御装置の銘板(メーカー・型式・製造年・定格)
  • 引込ケーブルの端末と、ケーブルがキャビネットに入る部分
  • キャビネットの扉・屋根・底の錆、すき間、浸水や泥の跡
  • 近くのハンドホールや管路のふた(水がたまっていないか)
  • 作業車・機材を置ける場所と、キャビネットまでの通路

UGS交換に関するよくある質問

UGSの交換費用はいくらですか?

関東の工事会社が公開している価格では、UGSの交換・更新工事が1台およそ70万〜120万円です(MECはガスの回収費込みで880,000円(税込)、AIR LABは80万〜100万円、サイデンは70万円〜。2026年10月17日確認)。停電中の発電機、夜間・休日の割増、試験、ケーブルの端末処理などが別途になることがあるので、見積の内訳で確かめてください。

UGSとPASの違いは何ですか?

どちらも高圧の入口で事故を切り離す開閉器です。UGSは地中引込で、電力会社の高圧キャビネットの中や地上の自立型の盤に置かれるガス式の開閉器、PASは架空引込で構内の電柱の上に置かれる気中式の開閉器です。交換のときの停電の段取りや置き場所が違うので、費用の比べ方も変わります。

UGSは何年で交換するものですか?

法律で決まった年数はありません。JEMAは高圧交流負荷開閉器の更新推奨時期を屋外用は10年、屋内用は15年(またはどちらも負荷電流開閉回数200回)、GR付開閉器の制御装置を10年としていますが、保証値ではなく、メーカーも環境条件などを考慮する必要があるとしています。年数と点検の結果を合わせて判断します。

UGSだけ替えて、高圧キャビネットはそのまま使えますか?

使えることがあります。戸上電機製作所は、キャビネットはそのままで機器(UGS)だけの更新ができると案内しています。ただし、取り付けの寸法や接続の方式は機種ごとに違い、旧来の機器(ピラジスコン)からの更新では取付金具の追加が要った例もあります。現地調査で確かめてもらってください。

UGSの交換で停電は必要ですか?いつまでに申し込みますか?

必要です。UGSの取り外しには電力会社の供給用配電箱の停止が要ります。点検などの開閉器の操作は、東京電力パワーグリッドは申込日から31日以上前、関西電力送配電は1か月以上前の申込みが必要です。設備が変わる工事は窓口が別のことがあるので、工事会社と電気主任技術者に確かめてもらいます。

UGSとUAS、どちらに替えればいいですか?

戸上電機製作所は、UGS(ガス式)とUAS(気中式)はどちらも全関東電気工事協会の認定品で、性能は同等としています。ガス式は撤去のときにSF6ガスの回収が要ります。どちらにするかは、今のキャビネットに合うか、価格、保守のしやすさを見て、電気主任技術者と工事会社と決めます。

SOGの制御装置も一緒に替えたほうがいいですか?

年数と試験の結果で決めます。JEMAはGR付開閉器の制御装置の更新推奨時期を10年としています。NITEの令和6年度の統計では、区分開閉器が動かなかった波及事故83件のうち50件が保護継電器の不良によるものでした。本体だけ新しくしても、制御が動かなければ事故は防げません。

引込ケーブルも一緒に替えるべきですか?

年数と診断の結果しだいです。日本電線工業会は、高圧CVケーブルの更新推奨時期を、水の影響がある場合は使用開始後10〜20年としています。UGSと同じころに入れたケーブルなら、同時に替えると停電と申込みを1回にまとめられます。

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UGS・PAS・VCB・LBS・変圧器・高圧ケーブルなど、機器ごとの交換費用と見積で確かめることを1冊にまとめています。社内の稟議や、相見積もりの前の整理に使えます。

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※資料の価格は一般的な参考情報です。個別の設備の見積額、交換の要否、安全性、工事の方法は、電気主任技術者と工事会社に確かめてください。

まとめ|UGS本体の価格ではなく、工事範囲と停電の条件をそろえて比べる

UGSの交換費用は、関東の工事会社が公開している価格で1台およそ70万〜120万円ですが、総額は工事範囲と停電の条件で変わります。

  • 公開価格はMEC 880,000円(税込、ガス回収費込み)、AIR LAB 80万〜100万円(ガス回収含む)、サイデン 70万円〜
  • 発電機、夜間・休日の割増、試験、申請、ケーブルの端末処理が別途になることがある
  • JEMAの更新推奨時期は、高圧交流負荷開閉器が屋外用10年・屋内用15年、GR付開閉器の制御装置が10年。保証値でも法定の期限でもない
  • UGSの取り外しには電力会社の供給用配電箱の停止が要り、開閉器の操作の申込みは1か月以上前
  • SOGの制御と引込ケーブルを一体で見て、停電を1回にまとめられるかを考える

UGSの交換をきっかけに、キュービクル全体を直すか更新するかを考え始めたときは、修理と更新の判断の記事が参考になります。点検の種類と流れはキュービクル点検ガイドで解説しています。

UGSを含むキュービクルの更新を、一度に大きな費用を払わずに進めたいときは、4つの質問に答えるだけで所有権移転型の月額の目安を確かめられます。点検報告書や見積がまだ手元に無くても始められます。対象は高圧受電(キュービクル設置)の施設です。低圧・特別高圧での受電と、沖縄・離島は対象外となります。

参考にした情報

本記事は一般的な情報提供を目的としています。金額は各社が公開している価格の例で、個別の設備の見積額を示すものではありません。交換の要否、機種の選定、停電の範囲と手続きは、設備の構成、地域、電力会社との取り決めによって異なるため、電気主任技術者と工事会社に確かめてください。施設の担当者は、高圧キャビネットやキュービクルの扉を開けたり、機器を操作したりしないでください。

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