キュービクルの更新に使える国の補助金は、キュービクル一式ではなく、中の変圧器を高効率の製品に替える部分が対象です。変圧器だけを替えるときに中心になるのは、令和7年度補正予算の「省エネ・非化石転換補助金」の設備単位型で、変圧器本体の設備費の3分の1以内(上限1億円・下限30万円)が補助されます。4次公募は2026年10月30日(金)17時で締め切られ、執行する一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)は、5次公募を11月上旬から行う予定で、これで令和7年度補正予算の申請の受付を終える予定だと案内しています(SIIの設備単位型のページ)。
申請の前に、①公募の回と締切、②替える変圧器と事業が補助の要件(既存設備からの更新、SIIが公表した製品、省エネ要件)に当てはまるか、③交付決定の前に契約・発注していないか、④申請するのは自社か、リース会社との共同申請か、の4つを確かめてください。省エネ要件は、省エネ率10%以上・省エネ量1kl以上・経費当たり省エネ量1kl/千万円以上のどれかです。工事費・撤去費は補助の対象に入らず、申請しても採択されないことがあるため、補助金を使う工程と、使えなかったときの資金計画の両方を用意しておくと判断が止まりません。
本記事は、点検で変圧器やキュービクルの更新をすすめられ、更新の予算を抑える方法を探している施設の経営者・総務・施設管理の担当の方に向けて、いま使える補助制度の対象・条件・期限を、SII・資源エネルギー庁・環境省・自治体・日本電機工業会(JEMA)の資料をもとに整理したものです。変圧器そのものの交換費用と選び方は、キュービクルのトランス交換費用で解説しています。
| 項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 補助の対象 | 変圧器本体(キュービクル一式・工事費は対象外) | SII 設備単位型の公募要領 |
| 変圧器の要件 | 2026年度のトップランナー基準の達成率105%以上で、SIIが補助対象として公表した製品 | 同上 |
| 補助率・上限・下限 | 設備費の3分の1以内、上限1億円・下限30万円(事業全体) | 同上 |
| 公募の状況 | 4次公募は10月30日(金)17時で終了。5次公募は11月上旬から行う予定で、令和7年度補正予算の最後の回になる予定(日程・条件は未公表) | SII 設備単位型のページ |
| 交付決定と完了の期限 | 4次公募では、交付決定は2026年12月下旬の予定、事業の完了は原則2027年1月31日まで。5次公募の期限は公募要領で確かめる | SII 4次公募の公募要領 |
| 申請できる者 | 国内で事業を営む法人・個人事業主(大企業は条件つき)。リース会社との共同申請もできる | 同上 |
| 必ず守ること | 交付決定の前に契約・発注しない | 同上 |
| 自治体の例 | 東京都(次は11月9日〜20日に受付)、大阪府(11月25日まで受付) | 東京都・大阪府の案内 |
この記事で紹介した制度・料金・各社の情報は、2026年10月21日に確かめた時点のものです。SIIの公募の状況(4次公募の終了と5次公募の予定)と、東京都・大阪府の受付は、11月2日に確かめ直しました。
キュービクル更新で補助の対象になるのは「変圧器」|一式ではない理由
省エネ補助金の設備単位型で、キュービクルに関係する対象設備の区分は「変圧器」だけで、対象の範囲は「変圧器本体」です。公募要領に「キュービクル」という区分は無く、遮断器・開閉器・保護継電器などのほかの機器や、据付・配線・撤去・運搬・設計の費用、消費税は補助の対象に入りません。
設備単位型の対象設備は、高効率空調、産業ヒートポンプ、業務用給湯器、高性能ボイラ、高効率コージェネレーション、低炭素工業炉、変圧器、冷凍冷蔵設備、産業用モータ、制御機能付きLED照明器具、工作機械、プラスチック加工機械、プレス機械、印刷機械、ダイカストマシンの15区分です。補助対象経費は「設備費」のみで、公募要領は「補助対象設備の設置に伴う配線や配管、オプション設備等は補助対象外とする」としています。SIIのよくある質問(No.30)も「原則設備本体が補助対象となります」と答えています。
| 費用・機器 | 設備単位型での扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| 変圧器本体(基準を満たす製品) | 対象 | 対象範囲「変圧器本体」 |
| キュービクルの筐体・遮断器・開閉器・保護継電器 | 対象の区分に無い | 15区分に入っていない |
| 据付・配線などの電気工事 | 対象外 | 補助対象経費は設備費のみ |
| 既設の撤去・運搬・処分 | 対象外 | 同上 |
| 設計費 | 対象外 | 同上 |
| 消費税 | 対象外 | 同上 |

トップランナー変圧器とは|補助の要件は2026年度の基準の105%以上
変圧器は、省エネ法(エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律)のトップランナー制度の対象機器(特定エネルギー消費機器)です。省エネ法の施行令第18条第18号は、定格一次電圧が600ボルトを超え7,000ボルト以下で、交流の電路に使う変圧器を挙げています。ガスを絶縁に使うもの、柱上変圧器、三相で定格容量が10kVA以下か2,000kVAを超えるものなどは、施行規則で対象から外れます。
JEMAによると、変圧器の基準はこれまで2006年度(油入)・2007年度(モールド)・2014年度を目標年度として定められ、いまの第三次判断基準の目標年度は2026年度です。JEMAの講演資料(2025年5月)は、第三次判断基準を「第二次判断基準から約15%、第一次判断基準からは約30%の効率改善」としています。設備単位型の補助を受けるには、この2026年度の基準に対する達成率が105%以上で、SIIが補助対象設備として公表した製品を選びます。型番はSIIの補助対象設備の検索で確かめられます。
古い変圧器との差の例として、JEMAのパンフレット(2025年7月)は、三相50Hz・500kVA・基準負荷率40%の油入変圧器で、トップランナー以前の製品の損失2,450Wが第三次判断基準の製品では1,080Wになり、年間の電気料金が528千円から233千円へ、約29.5万円下がる試算(1kWhあたり24.58円)を示しています。実際の差は、いまの変圧器の製造年・容量・負荷率で変わります。
なお、2026年度の基準はメーカーが出荷する製品の基準で、使っている変圧器を2026年度までに替えなければならないという決まりではありません。見積で確かめる基準の項目は、キュービクルのトランス交換費用にまとめています。
いま確かめたい制度|省エネ補助金(設備単位型)は11月上旬から5次公募(最後の回の予定)
変圧器を替える事業でまず確かめたいのは、令和7年度補正予算の「省エネ・非化石転換補助金」の「(Ⅲ)設備単位型[従来枠]」です。4次公募は2026年10月30日(金)17時で締め切られ、SIIは5次公募を11月上旬から行う予定だと案内しています。SIIは、この5次公募で令和7年度補正予算の申請の受付を終える予定としているので、この予算で申請できるのは5次公募が最後になる予定です。5次公募の日程と条件は、詳細が決まりしだいSIIのホームページで公表されます。SIIのサイトでのアカウント登録からユーザ名などがメールで届くまで「数日以内」とされているので、まだ登録していないときは、受付が始まる前に済ませておくと、書類づくりに日数を回せます。4次公募の提出は郵送で、消印の日ではなくSIIの私書箱に届いた時点で数え、持ち込みと宅配便は受け付けられませんでした。
この型の正式名称は「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」で、執行はSIIです。今年度は1次(4月27日締切)・2次(7月9日締切)・3次(9月28日締切)・4次(10月30日締切)と公募が続きました。5次公募は11月上旬から行う予定で、日程と条件はまだ公表されていません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事業名 | 令和7年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)(Ⅲ)設備単位型[従来枠](正式名称:省エネルギー投資促進支援事業費補助金) |
| 受付(4次公募) | 2026年10月5日(月)〜10月30日(金)17時、SIIの私書箱に必着(終了) |
| 次の公募 | 5次公募を11月上旬から行う予定。令和7年度補正予算の受付はこれで終える予定 |
| 交付決定 | 4次公募は2026年12月下旬の予定 |
| 事業の完了 | 4次公募は原則2027年1月31日(日)まで。完了は検収と補助対象経費の支払いが終わった日 |
| 実績報告 | 4次公募は、事業の完了から30日以内か、2027年2月5日(金)の早いほう |
| 補助率 | 3分の1以内(中小企業も大企業も同じ) |
| 上限・下限 | 上限1億円・下限30万円(事業全体) |
| 対象経費 | 補助対象設備の設備費のみ |
| 審査 | 評価項目に従って審査し、上位から予算の範囲内で採択(先着順ではない) |
単年度なら交付決定から完了までが短い|4次公募は約1か月、複数年度事業で申請できる場合も
4次公募では、交付決定は12月下旬の予定で、事業は原則2027年1月31日までに完了させる決まりでした。契約・発注は交付決定のあとにしかできないため、単年度の事業なら、変圧器の製造・納入、停電を伴う取替の工事、検収、支払いを約1か月に収める必要がありました。5次公募の交付決定と完了の期限はまだ公表されていないので、公募要領が出たら最初に確かめてください。単年度での実施が困難な事業で、年度ごとの経費を明確に分けた事業計画を出せる場合は、複数年度事業として申請できます(4次公募の公募要領の1-9・9)。4次公募では、1年度目の事業期間は交付決定から2027年3月31日まで、2年度目は2027年4月1日から2028年1月31日までで、各年度の工事などの実績に応じた支払いをその年度に済ませる必要があり、2年度目に取りやめると、交付済みの補助金の返還が必要になることがあります。申請の前に、工事会社とメーカーに、交付決定のあとに発注して完了の期限までに納入・工事・支払いを終えられるか、難しければ複数年度事業にするかを確かめてください。
変圧器の取替は、受電を止める停電の工事になることが多く、日程は施設の営業や生産の都合と、電気主任技術者・工事会社の段取りで決まります。停電の時間と工期の考え方はキュービクル更新工事の工期と停電時間で解説しています。
補助の額の考え方|変圧器本体の設備費の3分の1以内
補助の額は、変圧器本体の設備費の3分の1以内です。消費税は対象に入りません。下限が事業全体で30万円なので、補助の対象になる設備費が合わせて90万円以上ないと下限に届きません。上限は事業全体で1億円です。見積は、メーカーや機種を指定してもよいので、異なる販売事業者3者以上から取り、申請の書類に入れます(2026年3月25日以降の発行日の見積が対象です)。補助対象経費は、3者以上の価格競争の結果のいちばん安い価格が上限になり、申請にはその見積金額を使います。
キュービクルの更新費用には、変圧器のほかに遮断器・開閉器・保護継電器・ケーブル・工事・試験・撤去などが入るため、補助の額が更新費用全体の3分の1になるわけではありません。容量別の更新費用と見積の内訳はキュービクル更新費用の相場で確かめられます。
申請できる事業者と、リースで使うときの条件
申請できるのは、国内で事業活動を営む法人と個人事業主です。個人事業主は青色申告者であることが条件で、大企業は省エネ法の事業者クラス分けでSクラスであるなど、公募要領に書かれた要件のどれかを満たす場合に限られます。医療法人なども申請できます(SIIのよくある質問 No.12)。
- 法人・個人事業主:国内で事業活動を営んでいること。個人事業主は青色申告者
- 大企業:公募要領の要件(省エネ法のSクラスなど)のどれかを満たす場合だけ
- リースで入れる場合:設備を使う事業者とリース会社が共同で申請する(リース会社は1つの申請に1社)
リースで入れるときの条件
リースで変圧器を入れる場合は、設備を使う事業者とリース会社が共同で申請し、リース料から補助金相当分が減額されていることを示す書類を出します。補助金はリース会社に支払われます(SIIのよくある質問 No.67)。残価設定付きのリースと割賦は対象外で、処分の制限期間のあいだ使い続ける前提の契約が要ります(SIIの公募要領)。
月額で設備を使うサービスや、所有権移転型のサービスで補助金を使えるかは、その契約がこの共同申請の形に当てはまるかで決まります。使いたい場合は、契約の前に提供会社へ「SIIの省エネ補助金の共同申請に対応できるか」「補助金相当分を月額から差し引いたことを示す書類を出せるか」を確かめてください。SIIのよくある質問は、購入選択権付リースとレンタルでは申請できず(No.14・No.18)、所有権移転付のリースは、処分の制限期間のあとに所有権が移る契約なら申請できる(No.19)としています。支払い方ごとの違いは、キュービクルのリース・購入・借入・所有権移転の比較とキュービクル所有権移転の仕組みで解説しています。
設備単位型のほかの型と、国のほかの制度
変圧器を高効率の製品に替えるだけなら、まず設備単位型が候補です。工場・事業場型や電化・脱炭素燃転型でも変圧器や受変電設備を含められる場合がありますが、事業所全体の省エネ率や、電化する設備との組み合わせといった条件が付きます。工場・事業場型と電化・脱炭素燃転型の正式名称は「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」です。
| 制度 | 変圧器・受変電設備の扱い | 補助率・上限 | 今年度の受付 |
|---|---|---|---|
| 省エネ補助金 (Ⅲ)設備単位型[従来枠] | 変圧器本体(基準の達成率105%以上) | 3分の1以内・上限1億円 | 4次公募は10月30日で終了。5次公募は11月上旬から(予定) |
| 省エネ補助金 (Ⅲ)GX設備単位型[メーカー強化枠] | GXの要件を満たすメーカーの変圧器 | 3分の1以内・上限3億円 | 設備単位型と同じ公募要領で募集 |
| 省エネ補助金 (Ⅰ)工場・事業場型 | 指定設備に変圧器がある。一般枠は、複数の指定設備などで事業所全体の計画省エネ率10%以上などの要件 | 一般枠は中小企業2分の1以内(投資回収7年未満は3分の1以内)など。単年度の上限15億円・下限100万円 | 4次公募は10月30日で終了。5次公募は11月上旬から(予定) |
| 省エネ補助金 (Ⅱ)電化・脱炭素燃転型 | 産業ヒートポンプ・電気のボイラなどに替えるときの専用の受変電設備だけ | 2分の1以内・上限3億円(電化は5億円) | 4次公募は10月30日で終了。5次公募は11月上旬から(予定) |
| 省エネ補助金 (Ⅳ)エネルギー需要最適化型 | 対象外(対象はSIIが指定したEMS機器など) | - | 4次公募は10月30日で終了。5次公募は11月上旬から(予定。変圧器は対象外) |
| 環境省 SHIFT事業 | 電化・燃料転換に伴う付属設備としての受変電設備など、条件つき | 3分の1以内・上限1億円(CO2の削減が年4,000トン以上なら5億円) | 3次公募は10月15日で終了 |
工場・事業場型のよくある質問(No.65)は、指定設備だけで同じ設備を2台以上更新する事業も対象になると答えています。変圧器を何台も替える工場などは、設備単位型と工場・事業場型のどちらが合うかを、省エネの計算とあわせて工事会社に見てもらうとよいでしょう。

次の公募はいつか|5次公募は11月上旬から、その先は未定
SIIは、令和7年度補正予算の省エネ補助金の5次公募を11月上旬から行い、これで申請の受付を終える予定だと案内しています。その先については、経済産業省の令和9年度予算の概算要求に「省エネルギー・非化石転換の投資促進・社会実装支援事業」が入っています。ただし要求の段階で、予算が決まったわけではありません。令和8年度補正予算や来年度の公募の時期を示した資料は、本記事で確かめた時点では見つかりませんでした。5次公募に間に合わない更新を補助金に合わせたい場合は、SIIと資源エネルギー庁の発表を待つあいだに、変圧器の型番・3者の見積・停電の候補日を先にそろえておくと、公募が始まってから慌てずに済みます。
自治体の補助の例|東京都・大阪府・神奈川県
都道府県にも、中小企業の省エネ設備の導入を補助する制度があり、高効率変圧器を対象設備に入れているものがあります。受付の回や予算の上限が国と違うため、施設の所在地の制度を別に確かめます。
| 自治体 | 制度 | 変圧器の扱い | 補助率・上限 | 受付(2026年度) |
|---|---|---|---|---|
| 東京都(クール・ネット東京) | ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業 | 対象設備に「高効率変圧器」(都の算定ガイドラインの要件あり)。対象経費は設計費・設備費・工事費で、国(設備費のみ)と違う | 3分の2〜4分の3以内、上限1,000万〜4,500万円(CO2の削減量などで3区分) | 第5回 11月9日〜11月20日、第6回 2027年1月18日〜1月29日 |
| 大阪府 | 中小事業者の脱炭素化に係る自主的取組支援補助金(3次公募) | 対象の例に変圧器(設備費のみ。工事費・据付費・撤去処分費は対象外) | 3分の1、上限は1法人200万円(1次・2次の分を含む) | 10月16日14時〜11月25日18時 |
| 神奈川県 | 中小企業省エネルギー設備導入費等補助金 | 対象設備に変圧器(高圧引込整備工事等は除く) | 3分の1、上限500万円(県の認証があれば600万円) | 予算に達して8月6日に受付終了 |
神奈川県のように、受付期間の途中でも予算に達して締め切る制度があります。使いたい制度が見つかったら、受付が始まる前に要件と書類をそろえておきます。
自治体の制度を探す方法
- 施設の所在地の都道府県・市区町村の、省エネ・脱炭素・中小企業の設備導入の補助のページ
- 国や自治体の補助金を検索・申請できる、デジタル庁の電子申請システムjGrants(Jグランツ)
- 独立行政法人中小企業基盤整備機構のJ-Net21「支援情報ヘッドライン」(国・都道府県の補助金・助成金をまとめて検索できる)
ただし、SIIの省エネ補助金はjGrantsではなく、SIIの「補助事業ポータル」で書類を作って郵送で申請します。国の補助と自治体の補助を同じ設備に重ねて使えるかは、それぞれの要領の定めで決まるため、申請の前に両方の窓口に確かめてください。
申請から完了までの流れ|省エネ補助金(設備単位型)の場合
申請は、変圧器の情報と見積をそろえ、SIIのアカウント登録、補助事業ポータルでの入力、書類の郵送の順で進め、交付決定のあとに初めて発注します。5次公募は11月上旬から始まる予定です。STEP1〜4は公募の前から進められるので、受付が始まる前に済ませておくと、締切に間に合わせやすくなります。
いまの変圧器の容量・製造年・油入かモールドか、点検報告書の指摘を、電気主任技術者に確かめてもらいます。古い油入変圧器は、低濃度PCBを含むかどうかも確かめます。
SIIが補助対象設備として公表した製品から、2026年度の基準の達成率105%以上の型番を、工事会社・メーカーと決めます。
同じ型番・同じ範囲で、異なる販売事業者3者以上から見積を取ります。いちばん安い見積の金額で申請します。
SIIのホームページで登録すると、数日のうちにユーザ名などがメールで届きます。
交付申請書、実施計画書、省エネルギー計算総括表、見積書、会社の情報、決算書、登記簿謄本などを郵送します。4次公募では、締切の時刻までにSIIの私書箱に届いた分だけが受け付けられました。5次公募の締切と出し方は、公募要領で確かめます。
4次公募の交付決定は12月下旬の予定です。交付決定の前に契約・発注したものは補助の対象になりません。
4次公募では、原則2027年1月31日までに検収と支払いを終え、完了から30日以内か2027年2月5日の早いほうまでに実績報告を出します。5次公募の期限は公募要領で確かめます。

申請の前に確かめたい7つの注意点
影響がいちばん大きいのは、交付決定の前に契約・発注してしまうことです。ほかにも、採択の保証が無いこと、補助で入れた設備を自由に処分できないこと、締切が届いた時点で数えられること、工事費・撤去費が対象外であること、古い設備を完了日までに撤去すること、入れたあとに省エネの効果を報告することを、申請の前に確かめます。
| 注意点 | 公募要領などの定め | 確かめること |
|---|---|---|
| 交付決定の前に契約・発注しない | 「交付決定前に既に補助対象設備等の契約・発注等を行った場合は対象外」 | 工事会社との契約日・発注日が交付決定日よりあとか |
| 採択は約束されない | 評価項目に従って審査し、上位から予算の範囲内で採択。申請額の合計が予算を超えると不採択がある | 採択されなかったときの更新の時期と資金 |
| 補助で入れた設備は自由に処分できない | 処分の制限期間内に処分するときはSIIの承認が要り、補助金の返還が生じることがある(単価50万円以上の機械など) | 期間内に売る・譲る・廃棄する・転用する予定が無いか |
| 締切は届いた時点で数える | SIIの私書箱に必着。消印の日ではない | 郵送の日数を見込んで発送日を決めたか |
| 工事費・撤去費・処分費は対象外 | 補助対象経費は設備費のみ | 変圧器本体のほかの費用の払い方 |
| 古い設備は完了日までに撤去する | 「原則、既存設備は事業完了日までに撤去すること」 | 古い変圧器の撤去と処分(PCBの分析を含む)を工事の日程に入れたか |
| 入れたあとに省エネの効果を報告する | 導入した設備の最低1週間以上のエネルギー使用量の実測データなどで成果報告をする。実績が計画値に届かない・データを取っていないと、支払い済みの補助金の返還になる場合がある | 使用量を測る方法と、申請の省エネ量に裕度を見込んだか |
古い油入変圧器が低濃度PCBを含む場合、低濃度PCB廃棄物の処分期間は2027年3月31日までです(環境省)。処分の費用は補助の対象に入らないため、更新の計画と別に見積を取ります。確かめ方と手続きは低濃度PCBの処分期限と低濃度PCBとキュービクルの記事で解説しています。
補助金を待つか、先に更新するか|判断の目安
補助は変圧器本体の3分の1以内で、採択も約束されないため、点検で不良を指摘されている・故障の兆しがある・PCBの処分期限が近いときは、補助金を待って更新を遅らせないほうが安全です。次の表は、状況ごとの考え方を編集部がまとめたもので、個別の設備の判断は電気主任技術者と工事会社に確かめてください。
| 状況 | 考え方の目安 |
|---|---|
| 点検で変圧器や遮断器の不良・更新を指摘されている | 公募を待たずに更新の計画を進める。使える公募の回があれば合わせる |
| 変圧器を替えるだけで、5次公募の日程に納期と工事が間に合いそう | 公募要領を待たずに型番・3者の見積・SIIのアカウント登録を済ませ、5次公募が始まったら申請する |
| 単年度では完了の期限までに納入・工事が終わらない | 年度ごとに経費を分けられるなら、複数年度事業として申請できるかを確かめる。難しければ来年度以降の公募(時期は未定)か自治体の制度に向けて、型番・見積・停電の候補日をそろえる |
| キュービクル全体を更新する | 補助の対象は変圧器本体だけと考え、残りの費用の払い方(現金・借入・リース・所有権移転)を比べる |
| 低濃度PCBを含む変圧器がある | 処分の期限(2027年3月31日)から逆算して日程を決める。処分費は補助の対象外 |
キュービクル全体の更新費用を、補助金の対象外の工事費まで含めて一度に払わずに進める方法もあります。15年間の総額で比べる考え方はキュービクルの15年総額、修理で済むか全体の更新が要るかはキュービクルは修理か全体更新かで解説しています。
キュービクル更新の補助金に関するよくある質問
- キュービクルの更新に補助金は使えますか?
-
国の省エネ補助金(設備単位型)では、キュービクル一式ではなく、変圧器本体を2026年度のトップランナー基準の達成率105%以上の製品に替える部分が対象です。工事費・撤去費は対象外です。
- 補助率はどれくらいですか?
-
設備単位型は変圧器本体の設備費の3分の1以内で、上限1億円・下限30万円(事業全体)です。中小企業も大企業も同じです。
- いつまでに申請すればよいですか?
-
4次公募は2026年10月30日(金)17時で締め切られました。SIIは5次公募を11月上旬から行う予定で、これで令和7年度補正予算の受付を終える予定です。5次公募の締切は、公募要領が公表されたら確かめてください。4次公募では、消印ではなくSIIの私書箱に届いた時点で数えました。
- 見積を取ったり、工事会社と話を進めたりしてもよいですか?
-
見積は取ってかまいません(2026年3月25日以降の見積なら交付決定の前のものでも使えます)。契約・発注は交付決定のあとにしてください。交付決定の前に契約・発注したものは補助の対象になりません。
- リースでも補助金を使えますか?
-
設備を使う事業者とリース会社の共同申請で使えます。リース料から補助金相当分を減額し、それを示す書類を出すことが条件です。残価設定付きのリースと割賦は対象外です。
- 申請すれば必ず受けられますか?
-
受けられるとは限りません。SIIが評価項目に従って審査し、上位から予算の範囲内で採択します。先着順でもありません。
- 古い変圧器の撤去費やPCBの処分費は補助されますか?
-
設備単位型の補助対象経費は設備費のみで、撤去・運搬・処分の費用は対象外です。低濃度PCB廃棄物の処分期間は2027年3月31日までなので、処分の見積は別に取ってください。
- 自治体の補助金と一緒に使えますか?
-
同じ設備に重ねて使えるかは、国と自治体それぞれの要領の定めで決まります。申請の前に、両方の窓口に確かめてください。
- 2026年度になったら変圧器を替えなければいけませんか?
-
いいえ。2026年度はトップランナー変圧器の第三次判断基準の目標年度で、メーカーが出荷する製品の基準です。使っている変圧器の交換の期限ではありません。
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補助金を使う場合も使わない場合も、残りの費用をどう払うかで、総額と手間が変わります。現金一括・銀行借入・リース・所有権移転の4つを、同じ条件・同じ期間・同じ保守範囲で比べられる資料を無料で配布しています。社内の稟議の前の整理に使えます。
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まとめ|補助の対象は変圧器本体。締切と、交付決定の前の発注に注意
キュービクルの更新に使える国の補助金は、キュービクル一式ではなく変圧器本体が対象で、省エネ補助金(設備単位型)は設備費の3分の1以内です。4次公募は10月30日で締め切られ、11月上旬から行う予定の5次公募が、令和7年度補正予算の最後の回になる予定です。
- 補助の対象は、2026年度のトップランナー基準の達成率105%以上で、SIIが公表した変圧器の本体
- 工事費・撤去費・処分費・消費税は対象外
- 契約・発注は交付決定のあと(4次公募の交付決定は12月下旬の予定。5次公募の期限は公募要領で確かめる)
- 申請できるのは国内で事業を営む法人・個人事業主。リース会社との共同申請もできる
- 採択は約束されないため、補助金が無いときの資金計画も用意する
- 東京都・大阪府など、自治体の制度も所在地ごとに確かめる
本記事は、5次公募の公募要領が公表されたときと、その次の公募の発表があったときに、SIIと自治体の発表を確かめて更新します。
補助金の対象外になる工事費も含めて、キュービクルの更新を一度に大きな費用を払わずに進めたいときは、いくつかの質問に答えるだけで所有権移転型の月額の目安を確かめられます。簡易診断による目安で、金額や提案の可否を約束するものではありません。対象は高圧受電(キュービクル設置)の施設です。低圧・特別高圧での受電と、沖縄・離島は対象外となります。
参考にした情報
- SII「令和7年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)」事業のページ(4次公募の終了、5次公募の予定。2026年11月2日更新)
- SII「令和7年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金(工場・事業場型)」事業のページ((Ⅰ)・(Ⅳ)の5次公募の予定。2026年11月2日更新)
- 環境共創イニシアチブ(SII)「令和7年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)4次公募」
- SII 設備単位型 公募要領(2026年10月 4次公募用、PDF)(対象設備、補助率・上限・下限、申請できる者、リース、交付決定前の契約・発注、処分の制限)
- SII 設備単位型 交付申請の手引き(4次公募用、PDF)(提出書類、郵送、私書箱必着)
- SII 設備単位型 よくある質問(4次公募用、PDF)(No.12・No.30・No.67)
- SII 交付規程(PDF)(第25条 財産の処分の制限)
- SII『指定設備』補助対象設備一覧(設備単位型)
- 資源エネルギー庁 令和7年度補正予算の省エネ補助金(2事業)の公募開始のお知らせ(4次公募の開始)
- SII 工場・事業場型 公募要領(4次公募用、PDF)((Ⅰ)・(Ⅳ)の補助率・上限・指定設備)
- SII 工場・事業場型 よくある質問(4次公募用、PDF)(No.65)
- 経済産業省 令和9年度 概算要求の概要(PDF)(省エネルギー・非化石転換の投資促進・社会実装支援事業)
- 経済産業省 令和9年度 概算要求のPR資料(GX関係、PDF)
- 一般社団法人温室効果ガス審査協会「令和8年度 SHIFT事業 3次公募 公募要領」(PDF)
- 環境省 報道発表(SHIFT事業の公募)
- e-Gov法令検索「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」(第149条)
- e-Gov法令検索「同法施行令」(第18条第18号)
- e-Gov法令検索「同法施行規則」(第92条第16項)
- 日本電機工業会(JEMA)「トップランナー変圧器第三次判断基準 2026年度スタート」
- JEMA トップランナー変圧器の講演資料(2025年5月22日、PDF)
- JEMA 配電用変圧器ユーザー向けパンフレット DS5219(2025年7月、PDF)(500kVAの損失と電気料金の例)
- クール・ネット東京「ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業」
- 大阪府「中小事業者の脱炭素化に係る自主的取組支援補助金」
- 大阪府 同補助金のよくある質問(PDF)
- 神奈川県「中小企業省エネルギー設備導入費等補助金」
- デジタル庁 jGrants(Jグランツ)
- 中小企業基盤整備機構 J-Net21「支援情報ヘッドライン」
- 環境省「低濃度PCB廃棄物早期処理情報サイト」
本記事は一般的な情報提供を目的としています。補助の対象・金額・期限は公募の回ごとに変わることがあるため、申請の前に必ず最新の公募要領と自治体の案内を確かめてください。補助を受けられることを約束するものではありません。設備の更新の要否と工事の方法は、電気主任技術者と工事会社に確かめてください。



