商業施設のキュービクル更新は、工事日を押さえる前に、テナントへの通知期限と共用部の防災設備の扱いを確定させます。停電中、共用部の非常用照明は予備電源で30分間、誘導灯は20分間(一定の部分は60分間)しか作動しないことが法令上の下限であり、数時間の停電工事をまかなう設備ではありません。営業影響を誰が負担するかも賃貸借契約ごとに異なります。通知、共用部・防災設備、夜間工程、復電確認、賠償・保険の5点を先に整理してから工事会社と協議してください。
商業施設のキュービクル更新の結論|工事日より先に決める5条件
結論として、見積を取る前に次の5条件を確定します。商業施設では、止める相手が自社ではなくテナントと来館者であるため、設備側の都合だけで日程を決められません。ここが決まっていないと、各社の見積は同じ条件で並びません。
| 決めること | 確認の仕方 | 決めずに進めた場合 |
|---|---|---|
| テナントへの通知期限 | 賃貸借契約・管理規約に定めた通知義務と期限、通知の相手(本部か店舗か)を確認 | 工事日を先に確定してしまい、契約上の期限を満たせず日程をやり直す |
| 共用部・防災設備の扱い | 停電で止まる回路と、予備電源で動く設備の作動時間を設備図と点検結果で確認 | 停電中に共用部が暗くなる時間が生まれ、来館者対応の計画がない |
| 停電できる時間帯 | 閉店後の作業可能時間と、テナント側の清掃・棚卸・納品の時間を突き合わせ | 夜間なら止められると想定したが、実作業時間が足りない |
| 復電後に誰が何を確認するか | 専有部の確認責任者と、開店判断をする人を事前に決める | 開店直前に不具合が見つかり、判断できる人がいない |
| 営業影響の負担区分 | 賃貸借契約の該当条項と、施設賠償責任保険の補償範囲を保険代理店と確認 | 休業の補償を求められてから、契約上の位置づけを調べ始める |
この5条件は、キュービクル本体の仕様よりも先に決まります。設備の選定は、条件を満たす方法を探す作業だからです。キュービクルそのものの仕組みと更新の全体像はキュービクルとは?仕組み・耐用年数・点検・更新費用まで完全ガイドにまとめています。
商業施設特有の難しさ|止める相手が自社ではない
商業施設のキュービクル更新が工場や倉庫と違うのは、停電の影響を受ける相手が自社の従業員ではなく、テナント事業者と来館者である点です。自社の工場であれば「この日は止める」と決めれば済みますが、商業施設では停電そのものが契約上の論点になります。
難しさは3つに分けられます。いずれも設備の話ではなく、契約と運営の話です。
- テナントごとに営業時間、納品時間、冷蔵冷凍設備の有無、レジや通信の復旧手順が違う
- 共用部(通路、エスカレーター、トイレ、駐車場、防災設備)の停止は、施設側の責任範囲で起きる
- 停電中と復電直後は、来館者の安全確保と案内が必要になる
この3つは、工事会社に任せて解決する領域ではありません。施設側が先に整理して、工事会社に条件として渡す性質のものです。逆に言えば、ここを整理してから見積を依頼すると、各社の提案が同じ土俵に乗ります。
工場・倉庫・病院・オフィスビルなどとの違いは、施設別キュービクル更新ガイドで施設別に比べています。
テナント通知|いつ・何を・どの書面で伝えるか
通知は「工事をします」という連絡ではなく、テナント側が自店の準備を決められる情報を渡す作業です。停電開始と復電の時刻、専有部の電源がいつ落ちるか、何を事前に退避すべきかが分からないと、テナントは動けません。
通知の期限は法令で一律に決まっているものではなく、賃貸借契約と管理規約の定めによります。設備工事時の事前通知義務と日数が定められている場合があるため、工事日程を確定する前に契約書を確認してください。期限を過ぎてからの日程変更は、テナント側の仕入れや人員シフトに影響します。
通知文に入れる項目は次のとおりです。テナント側から実際に問い合わせが集中する内容を、編集部で整理したものです。
| 項目 | 書く内容 | 抜けたときに起きること |
|---|---|---|
| 停電の日時 | 停電開始と復電予定の時刻。延長した場合の上限時刻と連絡方法 | 復電の見込みが分からず、テナントが開店準備を始められない |
| 停止する範囲 | 専有部、共用部、看板、駐車場、エレベーター・エスカレーターの別 | 自店は関係ないと誤解され、当日に混乱する |
| 事前にお願いすること | 冷蔵冷凍品の扱い、レジ・通信機器の電源操作、水槽や調理機器の対応 | 電源が落ちた状態で機器が停止し、復電時に不具合が出る |
| 復電後の手順 | ブレーカー復帰の順番、テナント側で確認してほしい機器、確認の期限 | 一斉に立ち上げて過負荷になる、または不具合の発見が遅れる |
| 当日の連絡先 | 施設側の担当者と、判断できる責任者の連絡先。工事会社の窓口 | トラブル時に誰へ連絡すればよいか分からない |
| 損害の取り扱い | 契約上の位置づけと相談窓口。確定していない点は確認中と明記する | 口頭で補償を約束したと受け取られる |

最後の「損害の取り扱い」は、通知の時点で結論を書けないことがあります。書けない場合でも空欄にせず、契約に基づいて個別に協議する旨と窓口を示してください。触れずにおくと、後から解釈の食い違いになります。
共用部と防災設備|非常用照明は工事時間ぶん点いていない
停電工事でもっとも見落とされるのが、共用部の非常用照明と誘導灯が何分持つかです。これらは停電時に点灯しますが、点灯し続ける時間には法令上の下限が定められているだけで、数時間の工事をまかなう設計にはなっていません。
非常用の照明装置の予備電源は、充電を行うことなく30分間継続して非常用の照明装置を点灯させることができるものとされています(建築基準法施行令第126条の5、昭和45年建設省告示第1830号)。誘導灯の非常電源は、誘導灯を有効に20分間作動できる容量以上とされ、地階の乗降場に通じる避難経路など消防庁長官が定める要件に該当する部分では60分間とされています(消防法施行規則第28条の3)。
| 設備 | 停電中の状態 | 工事前に確認すること |
|---|---|---|
| 非常用の照明装置 | 予備電源で点灯。法令上の下限は充電なしで30分間の継続点灯 | 蓄電池の劣化状況と直近の点検結果。工事時間との差をどう埋めるか |
| 誘導灯 | 非常電源で作動。法令上の下限は20分間(該当する部分は60分間) | 対象部分がどちらの要件か。消防用設備等の点検結果報告書で確認 |
| 自動火災報知設備・消火設備 | 非常電源の有無と容量によって異なる | 工事中に機能が停止するか。消防機関への連絡の要否を消防設備業者と確認 |
| 防火シャッター・防排煙 | 停電時の動作は機種と結線による | 停電中に動作するか。動作した場合に通路や搬入経路が閉鎖されないか |
| エレベーター・エスカレーター | 停止する。閉じ込めのおそれがある | 停電前に停止させる手順と、かご内が無人であることの確認者。保守会社の立会要否 |
| 共用部の一般照明・空調 | 停止する | 仮設照明の設置範囲と、警備・清掃・宿直への周知 |

「非常用照明があるから暗くならない」という前提で計画を立てないでください。法令上の下限は避難のための時間であり、工事中の作業照明ではありません。工事時間が予備電源の作動時間を超える場合は、仮設照明を別に用意するか、停電の取り方そのものを変える必要があります。停電が長引いたときの初動と代替電源の考え方はキュービクル故障に備えるBCPで扱っています。
夜間工事|営業時間外にできることと、できないこと
商業施設では閉店後の夜間工事が基本になりますが、閉店から開店までの時間がそのまま作業時間になるわけではありません。実際に電気を止められる時間は、前後の作業を差し引いた残りです。
| 区分 | 内容 | 時間が読みにくくなる要因 |
|---|---|---|
| 停電前 | 最終退館の確認、昇降機のかご内確認、テナント側の電源操作、機器の安全停止 | 退館が遅れるテナントがある。かご内確認の担当が決まっていない |
| 停電中 | 断路・接地、撤去、据付、結線、試験 | 既設の図面と現物が違う。搬入経路が共用部で、養生と警備が必要 |
| 復電後 | 受電試験、各系統の順次投入、専有部の確認、開店判断 | 一斉投入による過負荷。テナント側の確認者が来られない |
| 予備 | 不具合が出た場合の切り分けと復旧、開店遅延を判断する時間 | 予備時間を取らず、当日に判断を迫られる |
差し引いた結果、実際に停電できる時間が想定より短いことは珍しくありません。足りない場合の選択肢は、休館日に寄せる、系統を分けて複数夜に分割する、仮設電源を使う、の3つです。工期と停電時間の関係はキュービクル更新工事の工期で整理しています。
なお、夜間・休日の作業は工事費の割増要因になります。搬入経路が共用部にかかる場合は、養生と警備の費用も別に見込んでください。
復電確認|開店前に見る順序を決めておく
復電は、受電したら終わりではありません。商業施設の場合、開店できる状態に戻ってはじめて復旧です。確認の順序を事前に決めておかないと、開店直前に不具合が見つかって判断できなくなります。
| 順 | 確認する対象 | 確認する人 |
|---|---|---|
| 1 | 受電設備の試験結果(保護継電器、絶縁、相順) | 工事会社と電気主任技術者 |
| 2 | 防災設備の復帰(自動火災報知設備、非常用照明、誘導灯、防排煙) | 消防設備業者または防火管理者 |
| 3 | 昇降機の復帰と試運転、閉じ込めがないことの確認 | 昇降機の保守会社 |
| 4 | 共用部の照明・空調・給排水、駐車場設備 | 施設の設備担当 |
| 5 | 専有部の電源、レジ・通信、冷蔵冷凍機器 | 各テナントの確認者 |
| 6 | 開店可否の判断と、遅延する場合の告知 | 施設側の責任者 |

防災設備を昇降機より先に置いているのは、復帰の確認が消防機関への連絡と結びつく場合があるためです。順序そのものより、誰が確認し、誰が開店を判断するかを先に決めておくことが重要です。当日に決めようとすると、判断できる人が現場にいません。
賠償・保険|誰の損害を誰が負担するかを先に決める
計画停電による営業影響の負担は、法令で一律に決まっているものではなく、賃貸借契約の定めと個別の事情で判断されます。だからこそ、工事前に契約書と保険証券を確認しておく価値があります。
確認する項目は次のとおりです。いずれも、工事会社ではなく施設側で確認します。
- 賃貸借契約に、設備の保守・更新に伴う一時停止の扱い(通知義務、免責、賃料の取り扱い)が定められているか
- その条項が、計画的な工事と突発的な故障のどちらを想定しているか
- 施設賠償責任保険の補償範囲に、今回の工事に伴う事故が含まれるか。免責金額はいくらか
- 工事会社側の賠償責任保険の有無と補償範囲。工事請負契約書のどこに書かれているか
- テナント側が自ら付保している休業補償の有無(施設側では確認しきれないため、通知文で案内する)
ここで重要なのは、計画工事と突発故障では負担の議論がまったく違うという点です。計画的に止めれば通知と協議ができますが、老朽化した設備が営業中に故障して止まった場合は、その余地がありません。事故や故障が波及したときのリスクはキュービクル事故の原因と対策で整理しています。
テナントへ貸している建物の所有者として、責任の範囲と資金計画まで確かめるときは、ビルオーナーのキュービクル更新の記事が参考になります。
更新方式の比較|全停電・系統分割・仮設電源を同じ条件で見る
商業施設のキュービクル更新では、停電のとり方が3通りあります。費用の安さだけで選ぶと、夜間の停電可能時間を超える計画になりがちです。1晩で止められる時間という同じ条件に当てはめて比べます。
| 方式 | 向いている状況 | 確認が必要な点 |
|---|---|---|
| 休館日・1晩で全停電 | 停電可能時間内に工事が収まる。休館日を設定できる | 工事が延びたときの復旧手順と、開店遅延を判断する人・時刻 |
| 系統を分けて複数夜に分割 | 受電系統や変圧器が複数あり、分けられる | 単線結線図の上で本当に分割できるか。仮の切替中の保護協調 |
| 仮設電源を使って更新 | 停電可能時間が短い。24時間営業や冷蔵設備を抱えるテナントがある | 仮設の容量・設置場所・騒音・排気。共用部の動線への影響と費用 |
系統分割は魅力的に見えますが、受電が1系統であれば分けられるのは二次側だけです。単線結線図で分割の可否を先に確認してください。また、仮設電源は設置場所が制約になります。商業施設では駐車場や荷捌き場を使うことが多く、営業中の動線と重なると別の調整が必要になります。
停電工事から通常営業に戻るまでの手順
商業施設の場合、工事が終わった時点では復旧していません。テナントが開店でき、来館者が通常どおり利用できて、はじめて通常営業に戻ります。この後工程を含めて計画します。
賃貸借契約と管理規約から、設備工事時の通知義務、期限、通知先を確認します。工事日程の検討はこの後です。
予備電源で動く設備と作動時間、停止する設備を設備図と点検結果で洗い出します。仮設照明の要否もここで決めます。
閉店から開店までの時間から、最終退館の確認、機器の安全停止、復電後の確認、予備時間を差し引きます。
通知文の6項目を満たしたうえで、冷蔵冷凍設備や特殊機器を持つテナントから個別の要望を集めます。
最終退館と昇降機のかご内を確認してから停電します。延長する場合の上限時刻と判断者を、着手前に決めておきます。
保護継電器、絶縁、相順を確認し、系統を順に投入します。一斉投入による突入電流を避けます。
自動火災報知設備、非常用照明、誘導灯、防排煙、昇降機の復帰を、それぞれの担当者が確認して記録します。
専有部の確認結果を集約し、責任者が開店可否を判断します。遅延する場合の告知手段も事前に決めておきます。
費用|工事費・停電対策費・営業影響・処分費に分けて出す
商業施設の更新費用は、合算した総額だけを見ると比較になりません。仮設電源や夜間工事は工事費を押し上げますが、営業影響を減らします。どちらが効いているのかを見るために、4つに分けて出してもらいます。
- 工事費:機器、搬入、据付、撤去、試験、申請
- 停電対策費:仮設電源、仮設照明、夜間・休日の割増、警備、養生、立会
- 営業影響:テナントの休業に関する取り扱い、来館者への告知、販促日程の変更
- 処分費:撤去した機器の処分。PCB含有機器がある場合は分析・収集運搬・処理が別項目になります
PCB含有機器の処理費用は、濃度や機器の種類、台数、地域、処理業者の受入状況によって変わります。どこまでが工事費でどこからが処理費かの区分は契約内容によって異なるため、見積の段階で内訳を分けて提示してもらってください。環境省は低濃度PCB廃棄物の処分期間について、令和9年(2027年)3月31日で終了すると案内しています。なお、稼働中の機器から絶縁油を自分で採取しないでください。
費用の相場観はキュービクル更新費用はいくら?、機器ごとの更新時期はキュービクルの耐用年数を参照してください。見積が高いと感じたときの見方はキュービクルの見積が高いと感じたらにまとめています。
法令・保安で確認すること
電力会社等から600Vを超える電圧で受電して電気を使用する設備は自家用電気工作物にあたり、設置者には、技術基準に適合するよう維持すること、保安規程を定めて国に届け出て遵守すること、電気主任技術者を選任して国に届け出ることが電気事業法で求められています(経済産業省「自家用電気工作物に係る手続のご案内」令和4年10月)。工事の計画段階から電気主任技術者(または外部委託先)を入れてください。後から相談すると、保安規程との整合や届出で日程が動きます。
- 保安規程に沿った手順になっているか。変更が必要なら届出の期限はいつか
- 受電電圧1万V以上の需要設備など、工事計画の事前届出が必要な範囲に当たらないか
- 点検で指摘を受けている箇所が、今回の更新範囲に入っているか
- 消防用設備等の機能が停止する時間帯について、消防機関への連絡が必要かを消防設備業者・防火管理者と確認したか
- 賃貸借契約・管理規約に、設備工事時の通知義務や損害の取り扱いが定められているか
点検の指摘への対応手順はキュービクル点検ガイドにまとめています。
見積前にそろえる資料
相見積もりを同じ条件で取るために、次の資料を先にそろえます。資料が欠けたまま見積を依頼すると、各社が異なる前提で数字を出し、比較そのものが成立しません。
| 資料 | そこから分かること |
|---|---|
| 単線結線図 | 系統を分けて複数夜に分割できるか |
| 直近の点検報告書 | 指摘箇所と緊急度。更新範囲の根拠 |
| 設備台帳・銘板情報 | 製造年、容量、PCB含有の可能性 |
| 消防用設備等の点検結果報告書 | 非常用照明・誘導灯・非常電源の対象範囲と直近の状態 |
| テナント一覧と営業時間 | 停電可能時間、冷蔵冷凍設備や特殊機器を持つ区画 |
| 賃貸借契約・管理規約の該当条項 | 通知義務と期限、一時停止時の取り扱い |
| 施設賠償責任保険の証券 | 補償範囲と免責金額 |
設置から20年前後が経っている施設では、更新の要否そのものを整理するところから始まります。判断の材料は設置20年超のキュービクル危険度チェックにまとめています。
よくある質問
- 営業したままキュービクルを更新できますか。
-
仮設電源や系統の分割で停電時間を短くできる場合はありますが、無停電を前提にはできません。受電設備の構成、分割の可否、仮設電源の設置場所によって可否が変わるため、単線結線図をもとに専門者と検討してください。
- テナントへの通知は何日前までに必要ですか。
-
法令で一律に定められた日数はなく、賃貸借契約や管理規約の定めによります。設備工事時の通知義務と期限が書かれている場合があるため、工事日程を確定する前に契約書を確認してください。定めがない場合でも、テナント側の仕入れや人員シフトを考えると早いほど調整が進みます。
- 停電中も非常用照明が点くので、共用部は暗くなりませんか。
-
点灯し続ける時間には限りがあります。非常用の照明装置の予備電源は充電を行うことなく30分間継続して点灯させられるものとされ、誘導灯の非常電源は20分間(該当する部分は60分間)作動できる容量以上とされています。数時間の工事をまかなう設備ではないため、仮設照明の要否を別に検討してください。
- 停電による営業への影響は施設側が負担するのですか。
-
一律には決まりません。賃貸借契約の定め、通知の有無、工事の性質(計画か突発か)などによって扱いが変わります。契約の該当条項と施設賠償責任保険の補償範囲を工事前に確認し、通知文では断定せず、協議の窓口を示してください。
- 夜間工事なら1晩で終わりますか。
-
閉店から開店までの時間がそのまま作業時間になるわけではありません。最終退館の確認、機器の安全停止、復電後の試験とテナント確認、予備時間を差し引いた残りが実際の停電可能時間です。足りない場合は、休館日に寄せる、複数夜に分割する、仮設電源を使う、のいずれかを検討します。
- エレベーターの閉じ込めが心配です。
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停電前にかごを停止させる手順と、かご内が無人であることを確認する担当者を決めておきます。復電後の復帰と試運転は昇降機の保守会社の範囲になるため、立会の要否を事前に確認してください。
- 更新の判断は設置から何年を目安にすればよいですか。
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年数だけでは決められません。法定耐用年数と機器の実際の寿命は別物で、点検報告書の指摘内容と、止まったときの営業影響を合わせて判断します。年数は検討を始める合図として使ってください。
- 撤去する機器にPCBが含まれていたらどうなりますか。
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分析、収集運搬、無害化処理が必要になり、工事とは別の費用項目になります。費用の負担区分は契約内容によって異なるため、見積で内訳を分けて確認してください。低濃度PCB廃棄物の処分期間は令和9年(2027年)3月31日で終了すると案内されています。稼働中の機器から絶縁油を自分で採取しないでください。
- 小規模な商業ビルで低圧受電の場合も同じ考え方ですか。
-
テナント調整と復電確認の考え方は共通ですが、キュービクル(高圧受電設備)を持つのは高圧受電の施設です。低圧受電の場合は設備構成も手続きも異なります。
まとめ
商業施設のキュービクル更新は、設備の選定より先に「誰に、いつまでに、何を伝えるか」を決める作業です。テナントへの通知期限を契約で確認し、共用部の防災設備が停電中にどこまで持つかを把握し、復電後に誰が何を確認して開店を判断するかを決める。この3つが済んでいれば、工事方式の比較も見積の比較も同じ土俵に乗ります。
設置から年数が経っている、点検で指摘を受けている、営業中に止まったときの影響を計算したことがない。いずれかに当てはまる場合は、更新の要否と進め方を早めに整理しておくと、緊急対応になる前に選択肢を持てます。なお、対象となるのは高圧受電(キュービクル設置)の施設です。低圧・特別高圧の受電設備、沖縄・離島は対象外です。
一次情報の参照日:2026年9月18日。法令・制度・技術資料は改定されることがあります。公開前および工事着手前に、電気主任技術者等、消防設備業者、昇降機の保守会社、施工会社、管轄機関の最新情報を確認してください。
商業施設の停電条件と更新方法を無料で確認する
設備の製造年、点検指摘、夜間に止められる時間、テナント構成が分かる範囲で整理できれば、更新方法と費用条件を比較しやすくなります。資料がすべてそろっていなくても、対象になるかどうかから確認できます。対象は高圧受電の施設で、低圧・特別高圧、沖縄・離島は対象外です。
出典:経済産業省「自家用電気工作物に係る手続のご案内」(令和4年10月)、建築基準法施行令第126条の5および「非常用の照明装置の構造方法を定める件」(昭和45年建設省告示第1830号)、消防法施行規則第28条の3、環境省「低濃度PCB廃棄物の早期処理」。いずれも参照日は2026年9月18日です。



